ビジネス

2018.05.12

アマゾンの「低利益率」、心配する必要がないわけ

Ken Wolter / Shutterstock.com


アマゾンは先ごろ、米国内のプライム会員の年会費を20ドル(約2200円)引き上げるという一部の目から見れば危険な行動に出た。それでも、値上げは基本的に、アマゾンの顧客忠誠度や価格決定力、悪循環を引き起こしている配送コストを相殺する必要性の高まりが承認された結果と考えることができる。

アマゾンが収益性の向上をより重視し始めていると見ることができるもう一つの兆候は、プライベートブランドへの投資の拡大だ。すでに70以上の独自ブランドを立ち上げているが、その数は今後もさらに増加するだろう。適切な形で実行すれば、自社ブランドの数を増やすことは顧客により多くの付加価値を提供することになり、それが市場シェアの拡大と、売上総利益率の上昇につながるはずだ。

自らコントロールが可能

アマゾンのビジネスの複雑さと、次なる成長の波に向けた大規模な投資が常に行われていることから見れば、同社のどのような行動がどの時期の小売事業の業績に影響を及ぼしたのか、明確にすることは難しい。

だが、明らかなことだと思える点もある。まず、サプライチェーンコストの問題に対処することなく、アマゾンの営業利益率が妥当と言える水準にまで上昇することはない。第二に、プライベートブランドは今後、さらに重要性を増すことになるだろう。第三に、並外れた成長を維持するためには、同社はそれほど遠くない将来に、実店舗に関するより積極的な戦略を実行する必要があると考えられる。

そして最後に、アマゾンは収集したデータと高まる顧客忠誠度を、さまざまな形で活用することができる点が挙げられる。恐らくアマゾンの収益性は、同社が自ら選んだタイミングで、向上させることが可能だと見られる。

編集=木内涼子

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