AI時代、「キュレーション」の価値は上がっていく
──ストライプデパートメントには、TOPにコンテンツがたくさんありますよね。これには何か意図があるのでしょうか?
はい。ストライプデパートメントでは、「キュレーション」をとても大事にしています。
──キュレーション、ですか?
いまストライプデパートメントに登録されているブランド数は約600なのですが、すごい勢いで増えていて、順当にいけば3年後には約3000ブランドがプラットフォーム上に並んでいるはずです。
ブランドの数が増えていくのは喜ばしいことですが、仮に1ブランドにつき50個の商品を出品したとして、ユーザーがその膨大な商品の中から「本当にほしいもの」を選べるでしょうか。
──たしかに、多すぎると選べなさそうです。
きっと選べないですよね。そうすると、おそらく「誰かに選んでもらって、その中から決めたい」という心理が出てくるはず。誰が何を選ぶか──選ぶ人のライフスタイルへのユーザーの共感が購買の動機になると踏んでいるんです。
例えば、「BEAMS(ビームス)」や「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」のバイヤーや、雑誌「VERY(ベリー)」などで活躍しているスタイリスト、靴のマニアックなインフルエンサーなど、「共感や憧れを呼べる人」がキュレーションしたページの価値が高まっていくと思います。ですので、今後はストライプデパートメント内にそういったページをたくさん作っていく予定です。
キュレーションのテイストを見れば、好きか、好きじゃないかってわかるじゃないですか。雑誌に近い発想かもしれないですね。これからのファッションECモールは、キュレーションの部分だけはかなり人間が関わらないといけない──逆に言うと、人間が関わることでCVR(コンバージョンレート)が上がるんじゃないかと思っています。
──AIが最適なものを選ぶ技術が進化すればするほど、「人間がキュレーションすること」の価値が増えていきそうです。
おっしゃる通りです。その点で、僕がいま、一番熱いと思っていて、弊社のさまざまなプラットフォームで使っていこうと思っているのは「バーチャルYoutuber」なんですよ。次回はそのお話をしたいと思います。