ビジネス

2018.05.16

構想から5年、ファッションECモールは「今」がベストタイミングだと思った

ストライプインターナショナル、石川康晴社長


AI時代、「キュレーション」の価値は上がっていく

──ストライプデパートメントには、TOPにコンテンツがたくさんありますよね。これには何か意図があるのでしょうか?


はい。ストライプデパートメントでは、「キュレーション」をとても大事にしています。

──キュレーション、ですか?

いまストライプデパートメントに登録されているブランド数は約600なのですが、すごい勢いで増えていて、順当にいけば3年後には約3000ブランドがプラットフォーム上に並んでいるはずです。

ブランドの数が増えていくのは喜ばしいことですが、仮に1ブランドにつき50個の商品を出品したとして、ユーザーがその膨大な商品の中から「本当にほしいもの」を選べるでしょうか。

──たしかに、多すぎると選べなさそうです。

きっと選べないですよね。そうすると、おそらく「誰かに選んでもらって、その中から決めたい」という心理が出てくるはず。誰が何を選ぶか──選ぶ人のライフスタイルへのユーザーの共感が購買の動機になると踏んでいるんです。

例えば、「BEAMS(ビームス)」や「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」のバイヤーや、雑誌「VERY(ベリー)」などで活躍しているスタイリスト、靴のマニアックなインフルエンサーなど、「共感や憧れを呼べる人」がキュレーションしたページの価値が高まっていくと思います。ですので、今後はストライプデパートメント内にそういったページをたくさん作っていく予定です。

キュレーションのテイストを見れば、好きか、好きじゃないかってわかるじゃないですか。雑誌に近い発想かもしれないですね。これからのファッションECモールは、キュレーションの部分だけはかなり人間が関わらないといけない──逆に言うと、人間が関わることでCVR(コンバージョンレート)が上がるんじゃないかと思っています。

──AIが最適なものを選ぶ技術が進化すればするほど、「人間がキュレーションすること」の価値が増えていきそうです。

おっしゃる通りです。その点で、僕がいま、一番熱いと思っていて、弊社のさまざまなプラットフォームで使っていこうと思っているのは「バーチャルYoutuber」なんですよ。次回はそのお話をしたいと思います。

文=明石悠佳 写真=小田駿一 聞き手=最所あさみ

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