既存のもの同士を組み合わせて「ないもの」を作る
──オープンしてから約3ヶ月が経過しますが、オープン前に想定されていたこととオープン後で違った部分はありますか?
石川:ホテルの稼働率が想像よりもはるかに高かったですね。あとは、ホテル業界の方々から「hotel koe tokyoは、業界で知らない人はいないよ」と言っていただいた。どちらも嬉しい想定外の出来事でした。
Photo by Kenta Hasegawa
hotel koe tokyoは、オープンしてから合計200本以上のメディア露出があるんです。Web媒体もあれば、雑誌、TVにも取り上げられていて。
──リリースが出たとき、小売業以外の方からのコメントが多いことが印象的でした。
石川:ホテル業界で話題になったというのは、部屋や値段がいい等といったマーケティングの各論の話ではなくて、簡単にいうと「ホテルができたくらいで、ここまでニュースになることってなかったよね」ということなんです。これはきっと、ある種の「イノベーション」を起こすことができたのではないかと思っています。
──イノベーションと言いますと?
石川:「アパレル」という何年も前からある事業と「ホテル」という何年も前からある事業。既存のものを組み合わせて、今までないものを作れたというのは一種のイノベーションだと思います。
Photo by Kenta Hasegawa
おそらく、イノベーションには2種類があって。まずひとつめは、マイクロソフトやApple、Googleのような、テクノロジーや最新技術を使ったイノベーション。もうひとつは、マーケティング手段として既存のもの同志を組み合わせて、ないものを想像し、事業化できるイノベーション。
僕たちはテクノロジー集団ではないので、最新技術にチャレンジすることは難しいのですが、既存のもの同志を組み合わせて作る「ないもの」で、消費者にあったものを作るのは得意だと思っていて。hotel koe tokyoはそれができたニューリテールかなと思いますね。