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アメリカの病院は一部の治療を除き完全予約制が基本となっている。交通事故などの重篤な事態の場合はER(救急センター)での対応となるが、怪我や中程度の病気を予約なしで治療してくれるのがUrgent care(急病診療所)だ。

統計によると現在、推定8900万人の米国人が急病診療所を利用しているが、ここで問題なのが待ち時間の長さだ。サンフランシスコ本拠のスタートアップ「Solv」は、モバイルから急病診療所の予約を可能にし、支払いも行えるサービス「Solv Pay」を提供する。

Solvは今後の事業拡大に備え、ベンチャーキャピタルの「Greylock」の主導で新たに1680万ドルを調達した。既存出資元の「Aspect Ventures」も傘下し、同社の累計調達額は2100万ドル(約23億円)に達した。

今回の出資でSolvの役員会にGreylockのパートナーのJames Slaveや、レストラン予約サイト「オープンテーブル」に出資したベンチャーキャピタル「ベンチマーク」のBill Gurleyらが参加した。

Solvの共同創業者でCEOのHeather Fernandezによると、「米国の医療サービスは依然として壊れたままだ。もっと便利なサービスが必要とされている」と述べた。米国には現在7700軒近くの急病診療所があり、この市場は2018年内に180億ドルに達すると見込まる。

Solvは診療所の情報サイト「Urgentcarelocations.com」を運営しており、顧客らは当日治療が可能な診療所を検索できる。また、加入する保険制度に応じた税控除の額や実際に支払う金額も把握できる。

競合の「ZocDoc」は一次診療から専門医の予約まで広範囲な治療に対応しているが、Solvはあえて急病診療所のみに特化したビジネスモデルをとっている。

現在28名の従業員を抱えるSolvは、診療所が紙の請求書を郵送する手間を減らし、顧客からオンラインで直接支払いを受けられるようにする。また、指紋認証を用いた支払いのトライアルも進めている。

Solvのサービスを利用する診療所「Pediatric Urgent Care Fort Worth」では、2年前にはオンライン予約で訪れる患者はわずか5%だったが、今では30%以上が予約患者になったという。

現在、米国の20州で運営中のSolvは今後、小売店のクリニックやオンライン診療といった分野にも事業を拡大していく予定だ。

「全ての顧客の悩みを解決するためにはまだ多くの投資が必要だ」とFernandezは話すが、今回の調達資金でSolvの前進は加速し、医療サービスをモバイル時代に沿った現代的なものに改革することが期待できる。

編集=上田裕資

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