Stone Templeは4492問の質問を各音声アシスタントに回答させた。その結果、トップはグーグルのスマートフォン向け音声アシスタントで正答率は74.6%。2位がコルタナで59.5%、3位がグーグルのホーム・アシスタントで58%、4位がアレクサで44.3%。そして最下位のSiriは正答率が3分の1にも満たない32.7%だった。
Siriの誤答例をあげると、「ダースベイダーの声優は誰?」という質問に対し、Siriは「下記がダースベイダーの写真です」との文言を表示し、7つの映画のジャケット写真を表示していた。
さらに酷いのは、Siriが回答しようとした質問がわずか40.2%だったことだ。つまり59.8%の質問にSiriは回答しようともしなかったのだ。回答した質問の割合が半分を切ったのはSiriだけだった。グーグルのスマホ向けアシスタントは77.2%の質問に答える努力をした。
しかも、Siriは回答した質問の正答率が80%で、この成績も最も低かった。グーグルのスマホ向けアシスタントは95.2%の正答率だった。
SiriはiPhone向けのサードパーティーアプリとして2010年に登場し、アップルが買収して2011年にはiOSの一部として提供されるようになった。これに対してコルタナとアレクサは2014年に、グーグル・アシスタントは2016年に発表された。Siriの発表されてからの期間はコルタナとアレクサのほぼ2倍、グーグル・アシスタントの3倍以上になるにもかかわらず、質問に答える能力は劣っている。
状況から見てアップルにとってSiriは大失敗だったといえる。アップルはSiriの能力を改善するため、グーグルでAIと検索を統括していたJohn Giannandreaを4月に引き抜いた。Siriの現在の能力を考えると、アレクサに追いつくのはさほど難しいことではないだろう。
今回のGiannandreaの起用で、Siriがその能力を少しでも向上することを願いたい。現在のSiriはアップルにとって恥さらしなのだから。