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イスラエル、エルサレム

近年、イスラエルのエルサレムは、世界でも「トップレベルのスタートアップ都市」であると注目されている。

そんなエルサレムで2018年2月、スタートアップへの投資を推進する年次イベント「OurCrowd世界投資家サミット」が開催された。

このサミットは、イスラエルが国策で進めるスタートアップ企業の成長を後押しする重要な役割を担っている。世界90カ国から1万人ほどの出席者と、1000社以上のスタートアップ企業が集まるなど、イスラエルがこれまで築き上げてきた「スタートアップ立国」という地位を象徴する活況ぶりだった。イベントが放出する圧倒的な熱量は、起業家や投資家たちの野心をくすぐるもので、まるでロックコンサートのような盛り上がりを見せた。



イスラエルがスタートアップ国家と呼ばれるようになってから久しい。1993年に外国からの投資を促すプログラムを本格的に立ち上げ、今では特にハイテク分野を中心に世界屈指のスタートアップ国家に成長した。人口868万で日本の四国ほどしか面積のない小国で、現在、実に5500社を超えるスタートアップ企業が立ち上がっている。しかも敵対国に囲まれたイスラエルが、スタートアップ大国になりえた背景には、同国ならではの厳しい環境に対応するための戦略があったからだ。

イスラエルでは現在、世界的にも定評のあるサイバーセキュリティといったITテクノロジーをベースに、私たちの身近な生活に影響を与えるようなスタートアップがひしめき合っている。近未来を予見させるさまざまなアイデアと、それを実現させようとする起業家精神は、見る者をワクワクさせる。もしかしたらイスラエル発のスタートアップが、私たちの日常生活をポジティブに一変させるかもしれないー。そんな思いにすら駆られる。

イスラエルのスタートアップが見せてくれる近未来は、例えばこんな様子だ。

もはや私たちの日常生活に欠かせなくなった携帯電話。デジタル化がさらに進む世界で近未来には、サイバー攻撃対策として徹底的に暗号化されたコミュニケーションが当たり前になるだろう。

イスラエル発のスマホ「Solarin」なら、軍用レベルの暗号技術で安全性を実現する。現在、価格は約1万6000ドル(約170万円)とかなり割高だが、技術が進化すれば、同社の新しいスマホ「Finney」のように平均的な価格になっていくだろう。999ドル(約10万円)の「Finney」はブロックチェーン技術と仮想通貨のウォレットも搭載しており、安全に仮想通貨も保管できるデバイスが当たり前になる。

また近未来の世界では、莫大なデータの蓄積によって得られた情報が人の動線を左右する。例えば大気汚染だ。今、世界では8人に1人が、大気汚染が原因で死亡しており、世界人口の92%が危険なレベルの大気汚染の中で暮らしている。大気の汚れがもたらす健康被害などによる経済的な損失は年に5兆ドルともいわれる。そこでスタートアップ「BreezoMeter」を使えば、生活圏内で天候や時間によって変化し続ける汚染のホットスポットを天気予報のように確認でき、不必要な露出を避け、身を守ることができる。

文=山田敏弘

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