まず、我々はコミュニティの声に耳を傾けることから始めます。調査やデータ、ユーザーグループからの聞き取りを通じて課題を見つけるのです。
例えば、2016年までのインスタグラムは、ユーザーがその時々の最高の瞬間、つまり“ハイライト”をシェアするのが主な使い方でした。しかし、人生の多くの出来事はその投稿した写真と写真の“間”に起きることの方が多い。そこで、24時間で自動消滅する動画・写真の「インスタグラムストーリーズ」を始めました。
もっとも、新機能はいつも慎重に導入するようにしています。その点については、共同創業者兼CEOのケビン・シストロムが思慮深く進めています。彼は私が一緒に働いてきた人たちの中で、最も製品について深く考える開発者ですね。製品が複雑で難解にならないよう、同時に早く、簡単に使えるように心がけています。
広告主など、ビジネスで使う人は「オーセンティック(本物)」な画像を投稿することを意識するとよいでしょう。商品の画像を紹介する場合は自然な使い方を見せた方がユーザーも共感しやすいはずです。
ユーザーと企業の間に信頼関係が生まれますし、それこそがユーザーが企業をフォローする最大の理由かと。人が会社を動かしているわけで、中の人たちのことを信頼できれば、フォロワーと会社との距離も縮むはずです。
ケビン・ウェイル◎Instagram(インスタグラム)の最高製品責任者として、コンシューマおよび広告主向けプロダクトを統括。ツイッターのプロダクト部門シニア・バイスプレジデントとしてVineやPeriscopeの開発・デザインを統括管理した後、2016年3 月にインスタグラムに入社して現職に就いている。ハーバード大学で数学・物理学の学士号、スタンフォード大学大学院で物理学修士号を取得。