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著者のティム・アーウィンは、建設的な批判がうまくいかない理由として、人間の脳は「良いものに意識を向けるよう作られている」と指摘。批判されて傷ついた人は恐怖やストレスを感じ、意図された効果と正反対の結果が出ることが多い、と述べている。上司からの厳しい批判は、従業員の脳の生産的で創造的な部位を機能不全に陥らせ、生産性を向上させるどころか悪化させてしまいかねないのだ。

この解決策としてアーウィンは「建設的批判」という言葉の使用をやめることを提案している。一方で、職場で出されるどんな提案も受け入れられるような理想主義的世界の実現を訴えているわけではないと強調。「実際にばかげた質問は存在する」こと、こうした質問に答えるためにリソースを使うべきではないことを認めている。

しかしアーウィンは、ビジネス(そして社会のあらゆる側面)に足りないものは「肯定すること」だと考え、科学的にもこれが証明されていると指摘している。肯定を増やすためにアーウィンが提唱するのは「同盟のフィードバック」だ。

これは、人々の行動を、相手自身が信じる価値観や目標、あるいは組織の理念・戦略・目標・価値観と一致させることを示す。この種のフィードバックの目的は、「その人の意図と現在の行動の間には矛盾があることを、協力的な形で指摘する」ことにある。

同書の中でアーウィンは、批判的フィードバックの大半は、上司が正しいと思う行動を取れなかったことを伝える形をとっており、一方的な決めつけになってしまっていると説明。このフィードバック手法によりトップダウン的な雰囲気が作られてしまうと指摘している。つまり、上司が部下に対し、自分の期待値を満たしていないことを指摘する状況だ。

「他者の最も良い部分を引き出したい場合、その人を支援することを意図した同盟関係を作る方が成功しやすい」(アーウィン)

編集=遠藤宗生

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