調査を行った「Greenlight Insights」は「若い世代のVRヘッドセット所有者の77%が、VR空間で他者と関わりを持ちたいと考えている。そして、ゲームや動画を共に楽しむというアクティビティに最も興味があるようだ」と述べた。
この結果が興味深いのは、VRがそもそもは人々を周囲から孤立させるテクノロジーだったからだ。VRを楽しもうとすれば頭部をヘッドセットに覆われ、視野も画面のみになる。だが、ソーシャルな要素を組み込むことで、その体験が変わるだろう。
また、現状のVRは使用頻度が低いのも現実だ。VR機器を所有する人の28%しか日常的に使用しておらず、少なくとも1週間に1回は使う人が39%、19%は「月に1回」と答えた(筆者個人もこのグループに入る)。
そして、高額なVR機器を半年に1回しか使わない人が8%いて、1年に1回という人は6%だった。これはスマホやパソコン、テレビなど1日に何度も使われる機器と比べて雲泥の差だ。
2万円台で買える「Oculus Go」
原因の1つはVR機器が複雑なことだ。多くのケーブルやコントローラーがあり、設定や調整に時間がかかるため、手に持ってすぐに使えるというわけではないのだ。
しかし、フェイスブックの新しいVRヘッドセット「Oculus Go」が発売され、その状況も変わるかもしれない。199ドルと手頃な価格(日本では容量32GB版が2万3800円)で、パソコンに接続が不要なスタンドアローン型なのも魅力だ。
VRの浸透は進んでおり、38%が「今後は今よりもっと頻繁に使う」と答えている。さらに、1週間に3時間以上もVRでゲームを楽しむハードコアなゲーマーもいて、彼らでさえ「今後はより多くの時間を割く」としている。
また、VRに親しみがあると答えたアメリカ人は78%に上った。
「この数字の高さの理由は、VRが最近よくニュースで報じられていることにある」とGreenlightは分析している。その例として挙げられるのが、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作映画「レディ・プレイヤー1」がVRを題材としたことだ。
公開前の取材でスピルバーグは、映画の中で登場人物たちが見ている世界にキャストを没入させるために、HTC ViveとOculus Riftをどのように使ったのかを語った。
「レディ・プレイヤー1」の製作にあたっては「HTC Vive」がワーナー・ブラザース・エンターテインメントと提携し、公式パートナーを務めた。