米国が求める組織トップの責任と良心、スタバCEOは示せたのか

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RIの幹部は、「ツイッター上の騒がしいやり取りやフェイクニュース、データプライバシーの侵害、企業倫理に向けられる疑いの目に注目が集まるなか、ここ1年間だけでも大企業への信頼感は大きく損なわれている。最も信頼される企業とは、評価の高い企業だ」と指摘する。

また、RIのリサーチ・ディレクターによれば、「ブランドが約束したものを実際に消費者に届けていることと、企業の評判は直結している」。「ブランドの約束を果たすためには、企業はその行動に一貫性があり、本物であると認識される必要がある」

「リーダーが体現」する重要性

企業の幹部チーム、中でもCEOには、企業価値と企業意識を特に重視することが望まれる。CEOにはオフィスから出て、サービスを提供するコミュニティーとじかに接することが求められているのだ。

前出のリサーチ・ディレクターによれば、「企業の評判に関するこの重要なマクロトレンドは、CEO行動主義と呼ばれる。「企業のCEOには現在、良心をもって行動すること、利益と道徳的行動のバランスを取ること、社会にとって正しい行動を取ることが求められている」という。

消費者は企業に対し、社会的問題や価値観に基づく問題についての立場を明確にすることを期待する。そうした問題がその企業の掲げる企業理念と関連している場合には、特にそうだ。リサーチ・ディレクターは、「感情が絡む問題によって危機がもたらされる今、企業の理念や価値観に反するような行動が取られたときに立ち上がり、謝罪し、正しいことができるかどうかはCEOにかかっている。企業が事業の継続を願うなら、経営トップは自らの見解を明確に示さなければならない」と話す。

ジョンソンとスターバックスの幹部チームは、これを実践した。同社の評価がどう変化するかが明らかになるのは、まだ先だ。だが、上昇することが予想される。自社の誤った行動を正すためのジョンソンの力強く、良心的な、そして社会的に責任ある行動は、誠実に行動するCEOの例と言える。

編集=木内涼子

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