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sirtravelalot / shutterstock

既存企業がイノベーションを管理する方法として人気が出ているのが「イノベーションラボ」だ。グーグルのニュース検索に「innovation labs」と入力すると、毎月のようにラボが設立されていることが分かる。

ファーウェイやユニリーバ、シスコといった企業は全て最近、イノベーションラボをオープンさせている。企業は、新技術やスタートアップのアイデアを模索する上で、イノベーションラボが効果的だと考えているようだ。

イノベーションラボの何が問題?

イノベーションラボは、いくつか深刻な課題を抱えている。その一つが、起業家のスティーブ・ブランクが「イノベーション劇場」と呼ぶもので、ラボのチームが「リーンスタートアップ(無駄のない起業)」で使われるツールの仕組みを理解しないまま使ってしまうことを指す。

キャンバスや付箋、ホワイトボード、ビーズクッションをそろえるだけで、イノベーションを起こす準備は万端だと思い込む。そして、クールな製品を作ることのみに注力し、製品の基盤となるビジネスモデルは考えない。こうなると多くの場合は失敗に終わり、リーンスタートアップはイノベーションを起こす手法として不適切、という誤った考えを植えつけてしまう。

だがイノベーションラボにはさらに根深い問題がある。起業家のエリック・ライズはこれを、成功の問題と呼ぶ。この問題は、イノベーションラボで働くイノベーターたちの間で最も大きな不満を生む。

ラボの従業員らは、勤勉かつ努力家で、「リーンスタートアップ」の手法やツールの正しい使い方を理解し、良いビジネスモデルを持つ素晴らしい製品を作る。しかし、出来上がった製品を実際に展開する段階になると、親会社からの反発に合う。

イノベーターらは頻繁に、こうした状況にいら立ちを募らせる。また、ラボに投資しておきながら、そこで生まれた商品の展開を拒む経営陣に困惑する。なぜこんな形で時間とリソースを無駄にするのだろう?

ラボに関する「迷信」

これこそが、イノベーションラボの「迷信」だ。ラボに投資したリーダーたちはイノベーションの目的を理解し、支持しているものと思われているが、それは間違っている。また、ラボの従業員たちは、自分が親会社の「お気に入り」だと思い安心してしまうが、それも違う。多くの場合、イノベーションラボの設立自体が、会社の経営陣レベルで「イノベーション劇場」が起きていることを示しているのだ。

編集=遠藤宗生

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