同部門の売上は今期、177億ドル(約1兆9300億円)を記録し、前年から17.8%増となった。営業利益は30.8%増の16億ドル(約1745億円)で、これはソニーの稼ぎ頭である金融サービス部門に匹敵するレベルに達している。
業績好調の背景にはソフトウェア売上と、「PlayStation Plus」のサブスクリプションが伸びていることがあげられる。ゲームソフト売上は前年比13%増の2億4700万ユニットとなり、売上は84億ドルに達した。
また、PlayStation Plusの加入者は1年で780万人増加し、3420万人に達した。
ソニーは今年1月、PS4の累計販売台数が7360万台を突破したと発表。昨年の第4四半期のみで250万台以上が売れていたと報告した。そして、今回の決算発表でPS4の販売台数は7610万台に到達したと発表された。
既に生産を終了したPS3は、8000万台をやや上回る記録を残していたが、ソニーは今年、PS4がPS3の記録を突破すると見込んでいる。同社は今期のPS4の販売台数を1600万台と見込んでおり、順調に行けばPS4の売上は9210万台に届くことになる。
しかし、今期の見通しの1600万台は、昨年の実績の1900万台と比べると300万台の減少だ。これは、PS4の勢いがやや下降気味であるサインだ。今年秋で発売から5年を迎えるPS4に対し、ソニーはやや保守的な見通しを示している。
来期のゲーム&ネットワークサービス事業の売上をソニーは、前年比2.2%減少の174億ドルと見込んでいる。また、ハードウェアの製造台数の減少は、コストの低下にもつながり、利益は7%増の17億ドルを予測している。しかし、決算全体の好調ぶりと比較すると、これはさほどの問題ではないだろう。
プレステ1好調の1988年以来の好業績
2017年度のソニーグループ全体の売上は780億ドル(約8.5兆円)で、利益は67億ドル(約7300億円)。154%増という大幅な増益を記録した。ソニーにとって2017年は、プレイステーション1が業績を一気に押し上げた1988年以来、最大の成功を収めた年になった。
かつて苦境にあえいだソニーは、2012年にCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテイメント)出身の平井一夫をCEOに抜擢し、カメラ向けチップやファイナンス、そしてゲーム事業に注力する方針を打ち出した。今期の好調ぶりはその戦略が正しいものであったことを示している。