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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Lukasz Stefanski / shutterstock

台湾の仮想通貨取引所「OTCBTC」のCEOのイーティン・チェン (Yi-Ting Cheng)が、今年11月の台北市の市長選挙に立候補する。チェンは4月13日、出馬への意向を固めたと宣言した。

市長選には様々な政党の候補が出馬を予定しているが、チェンは無党派色を打ち出し、台湾の仮想通貨業界を活性化することを狙っている。

仮にチェンが台北市長に決まったならば、世界初の事例となる。仮想通貨関連のコンサルティング企業「Blockchain Intelligence」のLance Morginnは、チェンが勝てば現地の金融テクノロジー分野は大いに活性化するだろうと述べる。

「仮想通貨取引の規制が緩和されることも起こり得るし、現地の法制度のもとで、ビジネス利用にふさわしい新たな制度が導入されるかもしれない」とMorginnは話した。

チェンは仮想通貨業界の活性化が、新たな雇用を生み出すことを期待している。また、海外からの投資の増加も見込めるという。市長に当選したなら、金融セクターの特区をつくりたいと彼女は声明で述べた。

現在35歳のチェンはOTCBTCを立ち上げる前は、テクノロジー分野の教育者だった。「台湾は今後、デジタル通貨の分野で世界をリードする国になれる可能性がある」とチェンは述べた。設立約1年のOTCBTCは3万人以上の顧客を抱え、一日の取引ボリュームは1580万ドルに達しており、業績は右肩上がりだという。

チェンによると台湾の政治家たちは最新のテクノロジーに疎く、彼女の仮想通貨分野での経験や、テクノロジーに対する知識で国の未来に貢献できるという。

ただし、チェンが市民の支持を得られるかどうかは分からない。「仮想通貨に強い市長を歓迎する市民もいるかもしれないが、それよりも市民が期待するのは彼女の行政の手腕だろう」と、ある議員は述べた。

チェンが市長になればフィンテック領域のスタートアップには恩恵をもたらすだろう。しかし、台湾には古いテクノロジー企業も多く、それらの企業をうまくハンドリングすることも求められる。

また、OTCBTCのユーザーの多くが中国本土の人々であることが、政治的問題に発展する可能性もある。また、台湾政府は現在、年内のマネーロンダリングの規制強化に向けて動いている最中だ。

台湾政府は仮想通貨ビジネスが既存の金融機関の脅威とならないように、仮想通貨に新たな法の枠組みを設けようとしている。それと同時に政府は、台湾のハードウェア製造業が海外との競争に苦戦し地位を低下させる中で、フィンテック領域をサポートする動きも見せている。

編集=上田裕資

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