マイクロファイバーやペットボトルといったプラスチックごみのニュースは、私たちが“余分な包装”によって地球にダメージを与えているということを気づかせてくれる。私たちはいま、プラスチックごみについて考えなければいけない、重大局面に直面しているのだ。
なぜ考えなければならないのか、その理由はたくさんある。2017年末に、中国がプラスチックごみの輸入を禁止したことは大きいだろう。現在に至るまでに、中国は24種類のごみの受け入れを禁止し、悪名高い北京の大気汚染をはじめとした環境問題に取り組もうとしている。
そしていま、欧米のごみ輸出業者は、包装廃棄物についてどんな対処をすべきか頭を悩ませている。イプスウィッチなどオーストラリアのいくつかの都市では、ゴミ削減をあきらめ、埋め立てるという決断をした。「中国がゴミを受け付けなくなってから、地方自治体がごみ処理をするのにかかるコストは4〜5倍になっています。自治体はそれに耐えられません」と、クイーンズランド自治体協議会会長、グレッグ・ハラムは言う。
中国の安価な設備なくして、彼らはもはやゴミを処理することができない。彼らにとって、サステイナビリティを求めることはお金がかかるのだ。たとえ地球にとって正しいことでも、経済的には一銭にもならないのである。
現在、イプスウィッチ市議会は市民の怒りに反応し、埋め立て地にゴミを送るのを一時的に保留している。しかし、ごみ問題に対する永続的な解決策はいまだ見つかっていない。
効果的な解決策は、生活廃棄物に対して一定の税を課すことだろう。手厳しいように聞こえるが、スイスでは「ごみを出すには決められた緑のごみ袋を買う」ことを何年も続けている。指定外の袋に入れていては業者が片付けてくれないので、ごみを出すには誰もが税金を払わなければいけない仕組みだ。
つまり、ごみを出すにはお金がかかる。より多くのごみを出すほど、より多くのお金がかかるのである。