ビジネス

2018.05.08

ビジネスパーソンの9割はExcelを1%しか使えていない

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私のExcel術でテーマとしていることは、「そのExcelは経営改善につながっていますか?」ということです。Excelで表を作る時、どんな些細な表であっても、常に経営を意識することによって、生産性向上につながる表になるのです。

また私がセミナーで必ず話すのは、「Excelのスキルは会計のスキルと両輪でなければ意味がない」ということです。会計のスキルとは決算書を読むことです。Excelを使いこなして経営改善につなげるためには、決算数字を意識しておくことがとても大切です。この話は少し高度なので、この連載で後々話していきたいと思います。

今回は第一回なので、Excelを使いこなす上で重要な関数の紹介だけしておきましょう。私のExcel研修では新入社員であろうが中堅であろうが社長であろうが、真っ先にこれを教えるというものが、次の4つの関数です。

SUM関数:売上、人件費などの各種費用の「金額合計」を出す関数です。売上という数字は「単価×件数」で計算されます。様々な単価の商品がある場合はそれぞれの単価×件数で出た小計を最後にこのSUM関数で合計して総売り上げが出るわけです。

COUNTA関数:「売上」を意味する数字は「金額」だけではなく「件数」があります。販売個数、受注件数、購入客数などがあります。人件費であれば全社員の給与合計はSUM関数で出せますが、それは「社員何人分」の合計かという「件数」です。このデータの件数を出すのがCOUNTA関数です。

SUMIF関数:SUM関数で出した総合計の「内訳」を出す関数です。データ分析の基本は「数字を分けて比べる」ことだと私の研修では常々申し上げていますが、例えば売上であれば、顧客別・商品別・地域別・年齢別・男女別・支社別など様々な切り口で数字を分解することができます。このような合計数字の内訳を出す分析に必要なのがSUMIF関数です。

COUNTIF関数:SUMIF関数が数字合計の内訳であれば、こちらは件数の内訳を出す関数です。

この4つの関数をきちんと使えれば、業務にまつわる様々な数字を必ず「合計」「件数」「合計内訳」「件数内訳」という4つの視点で見ることができます。それにより、会社が行っているビジネスを“分析”できるようになります。これが重要です。

そこから、あなたが行っている業務の無駄を省いていくことが可能になります。次回から、具体的な事例を入れながら、紹介をしていきたいと思います。

文=吉田拳

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