その後の面接内容は素晴らしかった。ハリーが入社すれば、ポールの会社にとって大きなプラスになると感じた。その後、私はポールに詳細を伝えた。
ポールは「ハリーに是非会いたい」と言った。「彼が適材であれば、ワークライフバランスの件は問題ない」。最終的にポールはハリーを採用し、会社は大きな成功を収めた。ハリーは他のマネジャー陣だけでなく、ポールや企業文化全体に影響を与えた。その結果、全従業員がとても良い職場だと認める会社になった。
あなたにも、ハリーと同じことができる。面接が始まってすぐ残業の話を始めるのは理想的ではないかもしれないが、あなたの考えは明確にした方が良い。残業のような重要な点は、偶然話題に上がるまで待っていてはいけない。
内定を受ける前に、採用責任者(採用された場合の上司)と残業について話しておくこと。会話例は次の通りだ。
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採用責任者:とても充実した面接でした。あなたがチームに加わってくれれば大きな力になってくれる気がします。
あなた:そう言っていただけてうれしいです。この職務には非常に興味があります。一点、まだ確認していないことがあるのですが、ここでお聞きしても良いでしょうか。
採用責任者:何でしょう?
あなた:私は、平日の勤務時間帯は一生懸命働きますが、退勤後は完全に気持ちを切り替えます。急を要するものでない限り、夜にメールに返信したりしません。緊急でない限りは、週末勤務もしません。この姿勢で問題ないでしょうか?
採用責任者:そのことについては、今まで考えたことがありませんでした。
あなた:社員の方は、週末も勤務することが多いですか?
採用責任者:そこまで頻繁ではありませんが、平日非常に忙しく、週末に計画会議を開くときはあります。
あなた:四半期に一度くらいであれば、それは大丈夫です。週末に長時間の会議がある場合は、平日に半休を取って、普段は週末に済ましている個人的な用事を片付けようと思います。
採用責任者:あなたにとって大事なことのようですね。
あなた:はい。プライベートな時間についての私の考え方を知っていただいてから、この仕事を受けたいと思いまして……。
採用責任者:率直に話していただき、ありがとうございます。
あなた:ありがとうございます。お話しできて良かったです。
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残業についての考えを共有した後で責任者が採用を渋ったとしても、問題はない。どちらにしろ、そんな会社には入社したくないはずだ。