「人材獲得戦争」に勝つのはデジタルに強い会社

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かつてなく熾烈な争いとなっている「人材獲得戦争」で、企業が明確な優位性を得るためにできることが一つある。

それは、会社をデジタル面で傑出した存在にすることだ。つまり、自動化技術や人工知能(AI)、職場の協働ツールなどの技術を完全装備すると同時に、従業員がデジタル分野の知識を深められるよう、訓練に大きな投資をすることが必要だ。

これらは、人材サービス企業ランスタッドが先日行った調査で分かったことだ。同社は、デジタル化が進んだ現代における従業員の期待や企業のパフォーマンスを調べるため、米国のCスイート(経営幹部層)800人以上と、従業員3000人近くを対象とし、調査を実施した。

ランスタッドによると、デジタル面で傑出している企業は全体のわずか10%だが、こうした企業は、事業目標の達成や売り上げの増加、コストの削減、投資回収などを実現できる可能性が平均で165%高くなることが分かった。

従業員が求めるものは?

では、従業員の視点から見た魅力的な職場環境は何だろう? 同調査によると、従業員が「入社するかどうかの決断に大きな影響を与える」要素として多く挙げたものには、次のようなものがあった。

・企業が最新のデジタルツールを活用していること(80%)
・イノベーションの文化があること(72%)
・企業がデジタル面でリーダー的存在だと評価されていること(62%)

同調査では、従業員の40%が最新のデジタルツールを使用できないことを理由に仕事を辞めていたことが分かった。また、72%は企業の経営陣がデジタル面に強いことが入社の重要な決め手になると回答した。一方、「雇用主が、デジタルに強いリーダーを起用していることに完全に、あるいは強く同意する」と答えたのはわずか37%だった。

私の(少々ひねくれた)キャリアに関する意見

この調査結果は私にとって、「太陽は明日、西に沈む」と言われるくらい驚きのないものだった。だからと言って、まったく役に立たないわけではない。私たちはデジタルな世界に住んでいて、キャリアの視点から考えれば、そここそが今一番活気がある場所だ。でもだからといって、広い心を持って物事に接すれば、やる価値があり充実感が得られる選択肢は他にもたくさんあるはずだ。
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編集=遠藤宗生

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