「制度」よりも「現場の理解」、副業を3年間続けて気付いたこと

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働き方の議論の中で、副業(複業)やパラレルキャリアという言葉は徐々に浸透し、自らその働き方を体現する人たちも増えてきた。私は「踊る広報」として、週3日は主婦に特化した人材サービス会社「ビースタイル」にて通常勤務、残りの4日は、20年間続けているコンテンポラリーダンスのダンサーとして活動している。この働き方を始めたのは3年前のこと。


自己表現の場としてダンスは日常に不可欠な存在

つい先日、週3日勤務になってから初めて全社MVPを取った。大げさかもしれないが、週3日勤務でフルタイム勤務と同等に任された業務に対して成果を出し、もう一つのダンス活動も充実させる働き方が認められた、この働き方が確立したとようやく思えた瞬間だった。

私の働き方がうまくワークした複数の要因の中で、最も重要だったことは主に2つある。

「or」ではなく「and」で考える

1つ目は、代表の理解があったことだ。私にとっては仕事もダンスも重要で、両方で結果を残したい。しかし今のままだと両立させるのは不可能。「仕事かダンスか…」 そんなことを入社以来2年間悩み続けた結果、私はダンスを選択し、代表へ辞める旨を伝えにいった。すると代表は、思いがけない一言を発した。

「“or”じゃなくて、“and”で出来る方法を考えてみたら?」

目から鱗だったと同時に、その時から私は「どちらか」ではなく「どちらも」へ思考がカチッと切り替わった。その後、ダンスに必要な日数を逆算し、週3日勤務、週4日ダンスという働き方に至ったのだ。鶴の一声、ではないが会社のトップが多様な働き方を積極的に受け入れてくれることは、働き方改革が叫ばれている今の時代においてとても重要な事だと実感した。

能力を短期間で伸ばしてくれた上司のマネジメント

2つ目は、直属の上司のマネジメント方法である。

私のもとには副業を検討中の方や、働き方で悩む人から多く相談がくるが、やはり会社という組織にいる以上、経営陣や現場の上長の理解・対応がボトルネックになっていることが多い。その点私の場合、上司の理解と柔軟なマネジメント手法があったからこそ今の働き方が実現できている。
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文=柴田菜々子

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