知る人ぞ知るクラウド企業「Pivotal」がIPO、時価総額40億ドルに

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マイクロソフトやフォードらも出資

Pivotal にはフォードやGE、マイクロソフトも出資しており、デルとVMwareにチャネルパートナーとして依存する必要はないとMeeは考えている。デルがEMCを買収した際、マイケル・デルはMeeに「あなたがCEOだ」と述べたという。

Pivotalは独立性を維持しているが、デルからは現状の方向性を守り、全力で事業拡大を図るよう指示されているという。

Pivotalの認知度が低い要因は、その顧客ベースにある。Dropboxのように個人ユーザーが多ければ、企業向けに販売をする際にもブランド認知度は高い。ZuoraやIPOを控えた「DocuSign」、「Pluralsight」、「Smartsheet」も企業の従業員向けにアプリを提供している。

これに対し、Pivotalはアプリの開発やオペレーション向けにクラウドサービスを提供しており、チャネルパートナーを通じての販売が大きな割合を占める。Meeは「サブスクリプション型ソフトウェアやクラウドサービスを手掛ける企業のIPOが相次いでいるのは、昨年この分野のIPOが少なかった反動であり、市場の需要も旺盛だ」と指摘する。

Pivotalは、IPOを果たしたばかりの多くの企業と同様、まだ黒字化を達成できていない。同社の直近の営業損失は1億6830万ドルだが、昨年の2億2650万ドルからは赤字幅が減少している。

売上高は、前年対比22%増の5億940万ドルだった。サブスクリプション収入は、昨年4Qのランレートが3億ドルに達したという。今後のMeeの使命は、市場に対して自社の独立性を証明すると同時に、認知度は低いが市場規模の大きいクラウドインフラストラクチャ市場について投資家にアピールをしていくことだろう。

編集=上田裕資

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