ミレニアルズの気を引き続けるSNS
また、スマートフォンを触る可処分時間のうち、彼らは圧倒的にSNSの中で時間を過ごす。フェイスブックやインスタグラム、スナップチャットはミレニアルズの気を引き続け、なくてはならない存在になった。「フィード(Feed)」とは、食事を与える、餌を与えるという意味もあるが、ミレニアルズはSNSに食事を与えられるかのように時間をつぎ込み、行動をコントロールされていると指摘する社会学者もいるほどだ。
スナップチャットやインスタグラムストーリーズは刹那的に生きるミレニアルズを象徴している。彼らは24時間で消えてしまい「いま、この瞬間」をシェアするプラットフォーム上で、瞬間を吐き出すように、今をシェアし、生活を送る。性的なメッセージを送り合う「セクスティング(Sexting)」もこれらのプラットフォームのおかげで怖くなくなったのだ。
対人関係を破壊したティンダー
デーティングサービス「ティンダー(Tinder)」の登場は、ミレニアルズの対人関係に大きく寄与している。ティンダーは37種類以上のジェンダーを導入するなど、ミレニアルズフレンドリーなアップデートなども行い、世界200各国近いミレニアルズに愛されているサービスだ。
デーティングサービスやSNSによって、交際する可能性のある数千人と簡単に知り合える時代。多くの書籍を執筆し、TEDなどにも登壇しているセックスセラピストのエステル・ペレルは、『誰もがFOMO(Fear of Missing Out、SNS依存症)に陥っていて、孤独を払拭するために、常に「よりよい誰か」を追い求めている時代だ。また、デーティングサービスやSNSの台頭により、1対1の恋愛対人関係は破壊されており、今後は複数のパートナーを持ちうる時代になってくるのではないか』と話している。
例えば、日本でも耳にするようになった「ポリアモリー」という言葉がある。浮気や不倫などと違い、お互い同意のもと複数の人と恋愛関係を持つ関係性のことだ。ポリアモリーに関してもすでに多くの海外メディアでは特集が組まれている。
環境によってできあがった「刹那的なミレニアルズ」
グローバル視点でみたとき、「コーチェラ」や「ウルトラ」などにみるミュージックフェスティバルの流行も刹那的な消費を示す例だろう。そう考えると、インスタグラムに多く見られるリア充的な消費も納得感がある。
最初にあげたように、ミレニアルズはカテゴライズするのが難しく、複雑すぎる特色を持ち合わせている。さらに本人たちも「カテゴライズされるのはごめんだ」と語る。100年前に生まれた人間と身体性においては何も変わっていない。だが、経済的な機会の少なさとインターネットにおける情報アクセスの機会の多さによって、いわゆる「ミレニアルズ」ができているのだ。繰り返しになるが、ミレニアルズを宇宙人のように語るのは簡単だが、決してそうではない。
連載 : ミレニアルズとユースカルチャー
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