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マーティン・ヤン(Photo by Steve Jennings/WireImage)

中国の広東省出身の料理人、マーティン・ヤンは中国よりもむしろ海外で有名だ。彼が出演する料理番組「ヤン・キャン・クック(邦題:ヤンさんの自慢料理)」は米国で30年以上に渡りオンエアされている。

米国に移民として渡った彼はどうやって名声を築き上げたのか。成功のカギとなったのは差別化だとヤンは話す。

「世界中に膨大な数のレストランがあるなかで、本当に成功できる店はごく限られている。美味しい料理を提供することはもちろん大事だ。でも、料理が美味しくてサービスが優れていても、それだけでは十分じゃない。他の店にない何かが重要なんだ」と彼は話す。

例としてあげられるのが、彼がサンフランシスコに構える中国料理店の「M.Y. China」だ。「上海料理だとか広東料理だとか言わずに、私の中華料理という意味でM.Y. Chinaという名前にした。自分が中国全土を回った経験を料理に込めた」

また、顧客のニーズを的確に読み取って、スタイルを変えていく姿勢が大事だとヤンは話す。多くのシェフたちは自分の味にこだわって、顧客の意見を忘れてしまいがちだ。これは料理に限らずほかの分野でもいえることだろう。

また、ヤンは店舗数を増やすことに対しては慎重な姿勢を貫いてきた。各国の友人たちから、うちの街にもヤンの店を出して欲しいと要望がくるが、彼はそれを断ってきた。

「自分のブランドは大事にするべきだ。店舗を増やしすぎるとクリエイティブでは居られなくなる。ごく限られた数の店舗だけでやってきた」

一方で、ヤンはテレビ番組を通じて多くの人に自分の料理を売り込むことに成功した。「ヤン・キャン・クック」を立ち上げた時に彼は、誰の心にも響くメッセージを番組タイトルに込めたという。

「ヤンは料理ができる、だからあなたにもできる。私にできることはあなたにもできるんだという思いを伝えたかった」とヤンは話す。「テレビでは今でも膨大な数の料理番組が放映されているが、私の番組は今でもトップレベルの人気を誇っている」

長年にわたり番組の資料率を維持できているのは、レストランの経営と同じで「常に新鮮さを大事にし、いつも違った何かを提供し、顧客を引き止める姿勢」だという。

テレビで話す時の自分は、家に居る時の自分とは違うとヤンはいう。「番組に出る時は、すごく芝居がかった話し方にしている。ドナルド・トランプ大統領のように、時には感情的に、時には現実的な話をして視聴者の心をつかまえようとしている」

そう話すヤンは69歳になった今もなお、現役シェフとして世界の人々を魅了している。

編集=上田裕資

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