自律飛行機はまだ早い? 米調査で9割が「未来の旅」に懐疑的

Boom Supersonic社CEOのBlake Scholl(Photo by Tom Cooper/Getty Images for Boom Technology)

「旅の未来」への準備はできているだろうか? 2800万人の会員を擁する旅行サイト「Travelzoo」が6000人の旅行者を対象に行った調査で、90%はノーと答えた。自律走行車やパイロットなしの飛行機といった“自動の旅”に関しては、特に懐疑的だった。

Travelzooのスポークスマンによれば同社は、人類が機関車や蒸気船といった蒸気機関、内燃機関に次ぐ、「第三の旅行革命」の時代に突入したと考えている。だがこの第三の革命を起こすために、その変革者たちは“未来の旅行モデル”に対して多くの人々が抱く不信感を払拭し、高い料金でも払いたくさせなければならない。

調査では、51%の人々が2030年までに自律走行車が当たり前のものになると考えているのに対し、自律飛行機が普及すると答えたのは20%だけだった。また76%がパイロットなしの飛行技術を十分に信じていないと言い、78%が自律飛行機の安全性について「とても心配している」または「まぁまぁ心配している」と答えた。

望みはミレニアル世代にあるかもしれない。18〜34歳の30%は、「自律飛行機が旅行に使われるようになるときには、技術はテストされ、完璧なものになっているはずなので、信じるだろう」と答えた。65歳以上で同様の回答をしたのは18%だった。人々はパイロットなしの飛行機に対して極めて懐疑的だ。38%は、ロボ飛行機よりもテレポーテーション(「スター・トレック」のなかだけに存在する技術だ)を試すだろうと答えている。

自律飛行技術の究極の目的は、コストのかかる人間のパイロットをロボットに置き換えることだということを、消費者たちは理解しているようだ。71%は、現状と同等、あるいはより安い値段で“キャプテン・コンピューター”の飛行機に乗れるようになると期待している。

音速旅客機、ハイパーループは?

消費者たちは、音速旅客機についてもすぐに利用できるようなるとは考えていない。Boom Supersonicのような製造業者は2023年までに音よりも速い飛行機を飛ばすと宣言しているものの、2030年までに音速旅客機が飛ぶことを期待しているのは28%に過ぎなかった。

しかし、旅行者たちは代替燃料(36%)やイーロン・マスクが手がけるハイパーループ(31%)にはより楽観的だった。74%がこうした新しいテクノロジーによって、温室効果ガス排出、渋滞、化石燃料への依存を減らすことができるようになると考えている。また多くの人々は新たなテクノロジーが移動時間を短くし(88%)、移動のストレスを減らす(63%)ようになると期待している。

「Travelzooは常に未来を模索しています。より多くの人々を、より速く、快適に、環境にもやさしい方法で、より多くの場所に運びたいという願望が尽きることはありません」と、Travelzoo UKのジェネラルマネジャー、ジョエル・ブランドン・ブラヴォーは言う。

同社が今回の調査を行ったのは、「新しい旅の方法に関して、人々が何を望み、何を心配しているのかを理解するためです。そして、旅行業界とともに、Travelzooの会員たちに新しい旅を体験する機会を提供するためです」と彼は語った。

翻訳・編集=宮本裕人

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