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企業家たちは深い溝の中での生活を議論します。

ムービーパスCEO Mitch Lowe(Photo by Vivien Killilea/Getty Images for MoviePass)

米国の「ムービーパス(MoviePass)」は月額9.95ドルで映画館に通い放題になるサブスクリプション型のサービスだ。7年前に創業の同社は今や200万人以上の会員数を誇っているが、ここまでの道のりは険しいものだった。

ムービーパスを共同創業したのはStacy SpikesとHamet Wattだった。その後、2016年6月からネットフリックスの創業に関わった65歳のMitch Loweが、CEOとして同社を率いている。

Loweは2017年、ムービーパスとビッグデータ企業「Helios & Matheson(以下、Helios)」の提携話をまとめ、8月に月額費用を9.95ドルまで引き下げた。ここでは今後の同社のビジョンについてLoweに尋ねた。

──ムービーパスに参加したきっかけは?

2012年に友人が私をムービーパスの創業者に紹介してくれた。当時のムービーパスは映画マニアを相手に月額30ドルから50ドルでサービスを展開しようとしていた。私はもっと一般層の顧客をターゲットにするべきだとアドバイスした。だが、長い間意見が一致しなかったため、しばらく関わりは持たなかった。

その後、2016年1月にサンダンス映画祭の会場でムービーパスの大株主のChris Kellyと出会った。そして、2016年6月に私はムービーパスのCEOに就任した。

──CEO就任後に考えたことは?

映画を観に行ってつまらなかった場合、途中で映画館から出てきても損に感じない価格設定が肝心だと思った。調査対象者の全員が月額9ドル95セントなら絶対に試したいと答えたが、この金額よりも高い金額では試さないと答える人が多かった。

──この事業に出資する投資家を見つけるのは大変だったのでは?

150以上のVCや投資家たちと面談した。そして2017年の5月頃に「Helios」のTed Farnsworthに出会った。9ドル95セントが最適な金額だと合意してくれたのは彼が初めてだった。ムービーパスのような企業の資金を集めるのは簡単なことではない。利益を出すまでに1億ドル程度が必要になる。

──昨年8月、月額9.95ドルに値下げした際の反応は?

最初の2日間だけで会員が15万人増えた。当初は15~18カ月で15万人達成が目標だった。それをたった2日間で成し遂げた。会員カードを発行する業者が1週間に5万枚しか発送できず、新たな納品に8週間かかった。

──会員たちの映画の好みは?

「スター・ウォーズ」などのメジャー作品も観るが、以前はネットフリックスに登場するまで待っていたような、低予算の映画を劇場まで観に行くようになった人も多い。我々のゴールは、インディペンデントな作品を配給するためのより良い方法を生み出すことだ。我々にとって最適なパートナーは独立系の映画館やインディーズ映画の製作者たちだ。ムービーパスの会員だけが観られる作品ができる日も来るかもしれない。

──映画製作会社や映画館との収益分配は?

現段階では映画製作会社に対し、ムービーパスのサービスがいかに宣伝に役立ち、興収を押し上げる効果があるかを説明しているところだ。映画館との提携も進めており、あるチェーン映画館からは、平均7.50ドルでチケットを調達している。だが、大手の映画館チェーンとの契約はもっと先のことになる。

──映画業界の反発は?

以前よりは穏やかになった。既存の業界のプレーヤーが反発するのは、レンタルDVD事業を立ち上げた頃と同じだ。私は新たなビジネスモデルで、人々の消費を活性化させようとしている。本来は業界の当事者がやるべき仕事だが、それを他人にやられると「うちの商売を守らねば」という反応も起こる。業界の大手企業は、消費者たちの本当のニーズを理解できなくなっていると思う。

編集=上田裕資

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