なぜこうした相関関係が見られるかについては、二つの方向から説明をすることができるだろう。まず、楽観的な人ほどより積極的に健康になろうとしていると考えられることがある(もっと運動しようとする、いつでもファストフードに頼るのではなくより良い食生活を目指そうとする、など)。
あるいは反対に、良好な健康状態の恩恵を享受しており、一日中元気でいられる人ほどより楽観的になれるのだとも考えられる。
また、研究チームによれば、最も楽観的な人たちには、「高齢で既婚またはパートナーと同居中、教育水準が高く、経済的に恵まれている」傾向が見られたという。
精神的な健康にも好影響
楽観性は心臓の健康に関連しているだけではない。過去の研究によると、メンタルヘルスにも影響することが指摘されている。これは主に、楽観的であるほど人は生活の中で起きるさまざまなことに、より適切に対処し、順応できるためと見られる。
楽観主義と健康の関係に関する過去の複数の研究結果を分析した結果によれば、「楽観性は心身の状態に大きな影響を及ぼす可能性がある。それは、楽観性がより健康的な生活習慣や適応行動、認知的反応を促すためだ。また、楽観性は高い柔軟性や問題解決能力、否定的な情報をうまく処理できる能力とも関連している」。
つまり、私たちが目の前にある物事をどのように見ることを"選ぶか"が、全般的な健康に計り知れない違いをもたらしている可能性があるということだ。