米国の経営コンサル企業ランキング2018

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デロイトのジャネット・ファウティー最高経営責任者(CEO)もべバンズと同意見だ。デロイトは今年のランキングで最多となる20の五つ星評価を獲得。ファウティーは、顧客がデロイトを選ぶ理由の多くは同社がさまざまなサービスに関する専門知識を持っていることだと説明し、「当社の顧客は、大きな破壊の動きを経験している。顧客は、より深く長期的な支援を必要としている」と語った。

一方でファウティーは、顧客から繰り返し利用される理由は、従業員にあると強調。「私たちは非常に熱心に働き、決して現状に甘んじたり満足したりしない。また、顧客が聞きたいことだけを口にして、顧客が聞くべきことをあえて言わないこともない。これがデロイトの企業文化だ。私たちは顧客と、真のパートナーシップの視点から、コンサル市場でも珍しい水準の信頼関係を築いている」と語った。

デロイトに続き上位につけたのはアクセンチュア(本社:アイルランド・ダブリン)で、31の部門・機能分野で推薦され、17部門で五つ星の評価を得た。同社金融サービス本部のグループ・チーフ・エグゼクティブを務めるリチャード・ラムは、同社がビジネスとテクノロジーの融合に注力していることを成功の秘密として挙げた。

アクセンチュアは、顧客が必要とするブロックチェーンや量子計算ソリューションなどを提供するため、デジタル・アセットや1Qビット(1QBit)などの企業の少数株を取得し、常に自社の刷新を続けている。「私たちは従来型のコンサルタントではなく、データサイエンティストであり、経営サイエンティストだ」とラムは述べた。

「『あなたがとても気にかけていることは?』と聞かれるが、全ては顧客ニーズに対する価値を維持するため。世界は急速に変化を遂げているので、私たちも早く変化しなければならない」(ラム)

マッキンゼー・アンド・カンパニー(本社:ニューヨーク)もまた、アクセンチュアと同じく31部門で推薦された。同社は16部門で五つ星評価を獲得。「金属・採鉱」部門で五つ星を獲得したのはマッキンゼーだけだった。その他、各部門で唯一の五つ星企業となったのは、ブーズ・アレン・ハミルトン(航空・防衛部門)、IBMグローバルサービス(建設・インフラ部門)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)(サステナビリティー部門)がある。

日本からは、アビームコンサルティング、富士通アメリカ、NTTデータサービシズ(NTT DATA Services)の3社がランク入りした。

推薦数や星評価以外はさておき、経営コンサル企業229社が今年ランキング入りを果たした根本的な理由が一つある。それは、変化を受け入れることだ。「古い教則本を出してきて、もう一度繰り返すことはできない」とベバンズ。「投資や洗練、改善を続けなければならない」

編集=遠藤宗生

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