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2018.04.21 11:00

味覚を覚醒させよ! 味を楽しむための「ケイチャップ」作り

4月中旬、スイスのある企業へ“うま味”のレクチャーに招かれた際もケチャップを作って五味を説明。

4月中旬、スイスのある企業へ“うま味”のレクチャーに招かれた際もケチャップを作って五味を説明。

今回はケチャップについて語ろうと思います。ケチャップと言えばトマト。いまや食卓に欠かせない食材のひとつですが、そのトマトの歴史をご存知でしょうか?
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トマトは南米アンデス生まれ、メキシコ育ちと言われています。ではどのようにして世界に広まったか。それは僕の大好きなクリストファー・コロンブスの功績によるもので、1492年の新大陸発見がきっかけです。新大陸に押し寄せたスペイン人たちがトマトを持ち帰り、ヨーロッパに広めたと考えられています。

しかし、その後ヨーロッパでトマトが食べられるようになったのは18世紀になってからでした。なぜ、持ち込まれてからおよそ200年もの間食べられなかったのか?

その理由はあの強烈な匂い、そして、毒素ある食べ物を連想させるあまりに赤い色が原因だったと考えられています。それを食べ始めたのは「飢饉のためしかたがなくだった」といわれているので、最初にトマトを食べた人はそれは勇気がいったと思います。いま目の前にしている多くの食材に言えることですが、最初に食べた人はみなまさに、“コロンブスの卵”ですね。
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ケチャップで味覚が目覚める

そんなトマトを使ったソース、「ケチャップ」。僕はこのケチャップを通した“味覚”の学び非常に大切だと考えていて、東京で定期的に開催している料理教室(美食の寺子屋)でもよく作っています。

なぜかというと、ケチャップには“基本五味”と言われる、人間が舌の上で感じることのできる味「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」がすべて含まれているからです。さらに、スパイスを使うことで辛味や渋味も味わうことができる。だからケチャップは、子供が味覚を学ぶ教育にも、または大人で味覚障害を訴える人たちにも最適な題材なのです。



では、僕の特性ケチャップ(名付けてKチャップ)のレシピを紹介します。

<特製Kチャップ>
・トマト ─ 1kg(芯を除きざく切りにしてからミキサーでピューレ状にする)
・タマネギ ─ 1コ(ミキサーでピューレ状にする)
・ニンニク ─ 1片(同上)
・クローブ ─ 1本
・赤トウガラシ ─ 1/2本(種を除く)
・シナモンスティック ─ 1/2本
 *クローブ・赤トウガラシ・シナモンはガーゼで包みタコ糸で縛る。
・赤ワインビネガー ─ 30cc
・砂糖 ─ 50g
・塩 ─ 1g
・コショウ ─ 1g

作り方はとてもシンプルで、まずは玉ねぎとニンニクのピューレに弱火でゆっくり火を入れ、そこにトマトのピューレを加え、焦らずゆっくり煮詰めていきます。途中でカーゼに包んだスパイスを入れてスパイシーに仕上げます。
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文=松嶋啓介

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