デジタルデバイスの長時間使用、子供の心身をどう変える?

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健康に対する影響を、精神的なものと身体的なものに分類するのとは難しいことかもしれない。だが、研究は大きく進んでいる。以下、スクリーンを長時間見ていることが子供の体と脳に及ぼす影響などの例を紹介する(WhatIsDryEye.comより)。

長時間の使用と影響

・スクリーン依存症:デジタルデバイスの使用は「デジタルドラッグ」の摂取だと指摘する専門家もいる。

・脳内の神経伝達物質ドーパミンの分泌が、依存症の原因と関わっている──ビデオゲームで勝つと、ドーパミンが分泌される。これは、ニコチンの摂取がドーパミンの分泌と依存につながるのと同じだ。

・脳の前頭前皮質は、衝動のコントロールを司っている。脳画像の研究から、スクリーンを見ていることとコカインの摂取は前頭前皮質に同じ影響を及ぼすことが確認されている──かんしゃく発作(キレる)など、強迫行動や常軌を逸した行動に関連している。

・依存度を計測することは可能か──テクノロジーに取り囲まれた現代、依存症による行動とそうでないものを区別することはほぼ不可能だ。

世代別に見た一日当たりの使用時間

・子供(1997~2014年生まれ):37.4%が3時間以上

・ミレニアル世代(1981~1996年生まれ):37.4%が9時間以

・X世代(1965~1980年生まれ):32%が9時間以上

・ベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ):26%が9時間以上

・米国の子供の4人に1が宿題や友人との連絡、個人的な目的で、1日3時間以上スクリーンを見ている。

近視と診断される人が急増

・米眼科医協会(AOA)によると、話す・歩く・読むことができるようになる前にテクノロジーを使えるようになる子供が増えており、こうした子供の目の発育には、深刻な影響が出ている。

・子供に1日3時間以上スマホなどを使わせている親の70%は、目への影響を非常に心配だと答えている。

・研究者らは近視と診断される人の急増について、スクリーンを長時間見ていることと、日光に十分当たっていないことが主な原因だと考えている。

・米国では過去30年に、近視の人が25%から41.6%に増えた。子供の近視は50年前の2倍になっている。一方、アジアでは人口の90%以上が近視と診断されており、60年前より10~20%増えている。

バランスが重要

・食事中は携帯電話を手元に置かない。就寝時はベッドルームに置かない。

・紙の本やボードゲームなど、昔ながらの子供の遊びを勧める。

・デジタルデバイスに関しては、「20-20-20のルール」を採用する──20分ごとに、20秒目を離し、20フィート(約6m)離れたところを見る。

・子供にとって見やすい角度にスクリーンを設置する──高さを身長に合わせ、角度は垂直から15度後ろに傾ける。

編集=木内涼子

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