息子のサイモンによると、テディは認知症のせいで攻撃的な言動をとることも多かったが、英アルツハイマー協会の電話相談窓口に電話すると、機嫌がよくなったという。
アルツハイマー協会に感謝の気持ちを示したいと思ったサイモンは、父と撮影した動画をウェブに投稿し、アルツハイマー協会への募金を呼びかけようと考えた。
サイモンはトークショーの「カープールカラオケ」を真似て、テディを助手席に乗せてクラシック歌謡の「Let There Be Love」を二人で歌い、その模様をSNSに投稿した。その結果、ユーチューブに投稿した動画は6000万再生を突破。英国の「BBC」など、世界中のメディアで話題になった。
その結果、これまでに15万ポンド(約2300万円)を超える募金を集めることに成功。二人の動画は世界中のメディアで紹介され、公式フェイスブックページ「The Songaminute Man Facebook page」も数百万PVを記録した。
マクダーモット親子は先日、英大手出版社の「ハーパーコリンズ」傘下の「ハーレクイーン」から手記を出版した。「The Songaminuteman」と題されたその本には、テディの第2次大戦中の思い出や、生い立ち、2013年に認知症と診断されてからの闘病生活や、それを支えた家族の暖かい思いやりが綴られている。
「認知症にかかっても父は音楽への情熱を失っていなかった。だからそれを世間の人に見てもらいたいと思った。この2年間で、昔よりももっと父のことが理解できるようになった気がする」とサイモンは話した。