グローバルを見据えたメディアカンパニーに
──開幕前にSNSマーケティングの土壌を作り上げたのですね。
そのため良いスタートダッシュが取れて、開幕戦の試合直後、ヤフーリアルタイム検索にはバスケ関連のキーワードが19/20も躍り出ました。1シーズン目の勢いをそのままにSNSのフォロワーも増加し続け、開幕時の15万人からシーズン終了後は40万人超に増加しています。(※2シーズン目においては、無料ラインスタンプ施策なども実施し460万人超に成長)シーズン終了後、通常は順位に応じてチームに配分金を割り振るのですが、配分金を決める指標の1つにSNSのフォロワー数も組み込んでいます。
自分のチームの活動資金に直結するため、「SNSなんて分からない」と言っている場合ではないのです。それほどまでに、私たちは「情報発信」にこだわっています。
──スポーツの世界で画期的な取り組みを続けている中で、Bリーグとして大切にしていることは何でしょうか。
働いているメンバーに常々言っているのは、「コピペの仕事をしないこと」です。革新的なエンターテインメントを提供するには、常に進化が求められます。
例えば、今年熊本県で開催した「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2018」のオープニングアクトでは、プロジェクションマッピングと音の演出に加えて、ドローンを融合させたパフォーマンスを行いました。また先日のエイプリルフールでは、人気5選手がユニットを組んで曲をリリースする企画を立案。ジャケット写真やMV制作など本格的に作り込むことで、SNSで大きな話題にもなりました。見てくれるファンに常に驚きをあたえ、価値や存在意義を高めていきたい。Bリーグを「メディアカンパニー」としてもっと大きく成長させていきたいと考えています。
──メデイアカンパニーとはどういうことでしょうか?
プロスポーツ団体とは本来、とても良質なコンテンツホルダーとも言えます。私たちのように、既に豊富なコンテンツを持っている側がメディアとして発信すれば、良いコンテンツが人々へ届くだけでなく、世の中に対する自分たちの影響力を高めていけると考えています。
例えばこれから、Bリーグとしてスポーツ番組を制作したり、小学生のミニバスや中高生の全国大会の試合を撮影したものをBリーグ所有のスタジオで放送したりといったオールバスケでの取り組みもアイデアとしては考えられます。バスケットボールというコンテンツが持つ魅力は、筋書きのないリアルな現場です。それを映し出して、視聴してくれた人がファンやフォロワーになっていけば、おのずとメディアとしての価値も高まっていく。
そのBリーグに価値を感じてくれる企業やソーシャルメディアと提携して、Bリーグを広める機会を増やせたら、バスケットボールの世界をより広げていけるでしょう。現在はSNSを中心としたマーケティングで価値を高めている最中ですが、国内の広がりだけに満足せず、世界を見据えた、グローバルな情報発信を目指していきたいと思っています。