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B.LEAGUEの大河正明チェアマン

「B.LEAGUE(Bリーグ)をメディアカンパニーにしたい」──そう語るのは公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ、通称「Bリーグ」のチェアマンを務める大河正明だ。Jリーグの常務理事からBリーグのトップに転身した男は、新たな舞台でどんなサプライズを見せてくれるのか。

2016年9月22日、国立代々木競技場 第一体育館で行われたBリーグの開幕戦では、公式戦として世界初となる全面LEDコートが使用され、全国地上波のゴールデンタイムの放送で視聴者にも衝撃を与えた。突然床が崩れおちる演出に観客は驚き、シュートが決まれば「DUNK」「3PTS(スリーポイントシュート)」とリアルタイムで文字が映され、そして攻守が入れ替わるたびにDJが選曲を変えていく。その革新的な光と音の演出に日本中のバスケファンが熱狂した。


提供:B.LEAGUE

ファンに対して常に驚きを与えてきたBリーグは、2シーズン目を迎えてもなお順調に入場者数を増やしているが、その躍進の裏には徹底されたSNSマーケティング戦略があった。その取り組みと、Bリーグの未来について大河チェアマンに伺った。

“攻め”のSNS運用を徹底

──SNSマーケティングに本格的に取り組んだ理由を教えてください。

まず、バスケットボールに興味のある年齢層が10〜30代だと事前のマーケティング調査で判明しました。そこで最初のターゲットを若い男女に絞り、Bリーグというコンテンツに興味を持ってもらうにはどうすればいいかを話し合いました。当時の状況や時代の流れを考えて、SNSに注力することで効果を最大化することも重要視したのです。

プロ野球は新聞社や鉄道会社といった大きな「メディア」がチームを運営しているので認知を拡大しやすいのが特徴です。Jリーグの場合は、個々の影響力は大きくなかったものの当時はテレビ放送で多く放映されており、その影響力はすさまじかったと記憶しています。(Jリーグ開幕戦の視聴率は32.4%、1993年の流行語大賞は『Jリーグ』だった)

しかし、いまはテレビ以外にも影響力が大きいメディアが溢れ、スマホで映画も見ることができる時代。さらにBリーグ発足当時の2015年は、マスメディアに取り上げられることもほとんどありませんでした。どう考えても自社で情報発信をしなければいけない状況下で、SNSを中心とした施策をとるのは必然的でした。

──必要性に駆られてのSNSという選択だったと。

そうです。しかし当時は、Bリーグの運営側や各クラブスタッフにSNS運用のプロフェッショナルはいませんでした。また、Bリーグは野球、サッカーに次ぐ第3のプロスポーツリーグなので差別化を図りたかった。そのためには革新性が必要で、SNSの運用においても“攻め”の姿勢が不可欠でした。

まず着手したのは、知識のインプットです。SNSに関する知識や運営側・各クラブの広報の意識を統一するために、ソーシャルメディアのプラットフォームの方を招いて勉強会を開催し、まずは基本的な知識を取り入れることから始めた。その後、Bリーグ開幕戦前の7月1日に、全36クラブの公式アカウント開設を、さらに各クラブ5選手以上の個人アカウント開設をルールとして義務づけました。

Bリーグのクラブには元々地方の実業団として活動していたチームも多く、SNSなんてさっぱり分からないというクラブもたくさんありました。そんな中で全チームに義務付けることは容易ではありませんでしたが、今でも定期的なフィードバックやアドバイスなどを続け、Bリーグとしてしっかりとサポート体制を整えています。

文=田中一成 写真=林孝典

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