コミュニケーションを格上げする
僕はいつも、イベントやお仕事で魅力的な方にお会いしたときは、その方のお名前を検索ワードに登録するようにしています。これは社会人になってからずっと習慣にしてきたことで、まだグーグルアラート(Google Alerts)が登場する前は、日本経済新聞による記事検索サービス「日経テレコン」によくお世話になりました。登録したお名前が記事に出ると、メールでお知らせしてくれるのです。
例えば取引先のお客様と会う日などは、「記事拝読しましたよ、面白かったです」とお伝えすれば喜んでもらえます。例えご本人がインタビューを受けたものではなく、第三者のお話の中に登場したような場合でも検索ワードに引っかかってくれるので、「〇〇さんの記事で、あなたのことをお話しされてましたよね」などとお話のきっかけになりますし、「そんなに小さな記事に気づいてくれるなんて、君は新聞をしっかりと読んでいるんだな」と、いい意味で誤解していただけます。
特にグーグルアラートの場合、ブログを含めたあらゆるメディアを検索対象にしているため、例えば営業職の方は自分の取引先を、転職活動中なら気になる企業の名前を登録しておけば、コミュニケーションにおいても情報収集においても、非常に強い見方になってくれるはずです。
気になるワードの市場価値を知る
さらに今、自分にとって関心度の高いワードが、いつ・どこで・どれほど検索されているかを、グーグル トレンド(Google Trends)で調べることができます。
なぜそんなことをチェックする必要があるのか? そもそも検索回数の多さは、その情報自体のニーズの高さを意味します。検索された回数が多いということは、それだけ、ビジネスチャンスが秘められているということの証でもあるのです。
僕の場合、日頃から自分の関心ごとを検索ワードに落とし込み、SNSや連載記事などに盛り込んでいるので、グーグルトレンドで検索して、自分が書いたものが検索結果の何位に表示されるかをチェックすることもあります。その順位によって、僕と同じことに関心を持っているライバルの多さや、彼らの中での自分の立ち位置を俯瞰することができるのです。
あとは、そのワードに関する検索上位を狙っていくのか、あるいはまだ誰も関心を持っていないようなワードをいち早く見つけて一歩リードしていくのか。自分の関心ごとの市場価値を把握することで、今後の打つ手を考えてみるのもいいと思います。
情報ソースの幅を広げる
案外知られていない機能として、世界中のアカデミックな論文を検索対象にしたグーグルスカラー(Google Scholar)も、かなり便利です。そもそもグーグル検索の「ページランク」のアルゴリズムは、被引用数によって学術論文を評価するシステムをもとにつくられたほどなので、学術論文は参照構造がしっかりしているのです。
そういう意味でも、今の自分の関心ごとに繋がる最先端の論文を探すのは、今やとても簡単なことなのです。それに論文の冒頭には要約がついていますから、自分が欲しい情報を取り出す手間も省けます。
とくに最近は、マーケティングや組織論、人の意思決定に影響を与える心理的バイアスなど、ビジネス関連の論文がとても増えています。それなのにあまり利用されていないようなので、非常に勿体ないなと感じます。
例え英語が読めなくても、グーグル翻訳を使えば、論文くらい文章の構造がしっかりしているものならかなり読みやすくしてくれます。ぜひ一度、使ってみてほしいです。情報ソースをグローバルに広げれば、自ずとチャンスも広がるはずです。
連載:働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
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