23歳の天才が生んだ自動運転の視覚「ルミナー」の野望

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トヨタのR&D部門と提携

アルファベット傘下の「ウェイモ」は、アリゾナ州フェニックスで無人タクシーによる商業サービスを年内にローンチする予定だ。同社は、LiDARを自社で生産している。ウェイモは、LiDARに関する企業秘密を盗んだとしてウーバーを提訴していたが、今年和解が成立している。

ルミナーは昨年、初の資金調達ラウンドで3600万ドル(約39億円)を調達した。現在、本社のあるカリフォルニア州パロアルトと工場のあるフロリダ州オーランドで合計350名の従業員が勤務している。同社は自動車メーカー4社とパートナーシップを締結しているが、公表しているのは「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(Toyota Research Institute)」のみだ。

LiDARは、Light、Detection、Rangingの頭字語で、自動運転車には不可欠のセンサーとなっている。カメラは日中に物体や色を認識するのに適しており、レーダーは遠方の物体を捉えることに優れている。LiDARは両者の機能を組み合わせ、昼夜を問わずあらゆる物体を3D画像で検知することができるため、人間の視覚よりも優れている。

電子部品のサプライヤーである「EPC」のCEO、Alex Lidowによると、従来のLiDARの多くがコストの安い波長905nm(ナノメートル)のレーザーを使用しているのに対し、ルミナーは高コストの1550nmを使用することで高画質化を実現しているという。

レシーバーチップもVelodyne製品より格段に高額だったが、Black Forest Engineeringの買収により競合並みにコストが下がったという。

「ルミナーは他社と異なる取組みをしている。彼らが正しいかどうかは後に判明するだろう」とLidowは話した。

編集=上田裕資

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