なぜ「ドローン前提社会」に人生を賭けて挑むのか?

ドローンファンドの千葉功太郎代表


千葉は新しいテクノロジーに片っ端から手を伸ばし、「プロフェッショナル」と呼ばれるまで徹底的に極める。そんな千葉のもとに起業家が自発的に集まった。その起業家コミュニティは、幕末に土佐藩士・坂本龍馬らが通った道場の名にあやかり「千葉道場」と呼ばれるようになり、現在は43社のスタートアップ企業が所属する。千葉にとって、ドローンも最初は趣味のひとつだった。しかし、のめり込むうちに保有機体数は20機を超え、国土交通省の全国包括飛行許可すらも取得。さらにSFC研究所上席所員にすらなった。

ドローンは配送や警備、農業など、さまざまな産業領域を横断して活用される。

投資先をコミュニティ化することは、ドローン産業の強固なプラットフォーム構築に繋がり、シナジーを最大化できる。

千葉の働き方を形容するのに「個人投資家」だけでは不十分だろう。では千葉の職業とは一体何なのだろう。

「個人投資家やエンジェル投資家ではなく、単に投資家とだけ名乗っています。投資をお金だけに留まらない概念だと捉えたいのです。私がもっとも大切にしているのは時間の投資です。自分が投資する1時間が、社会にとって大きな価値のある1時間になってほしい。そのために必要があればお金も投資する。自分の知識も、人脈の紹介も、そのすべてが投資活動です。その効果を最大化するために千葉道場があるのです」

彼の言葉からは「未来をつくる仕事」の基本は、新しいテクノロジーを試す好奇心、「プロフェッショナル」と呼ばれるまで徹底的に極める探究心、先駆者である“仲間たち”と積極的に取り組み続ける向上心にあるということが垣間見えた。


ちば・こうたろう◎リクルート、サイバード、ケイ・ラボラトリー(現KLab)取締役、コロプラ副社長を経て、2017年Drone Fundを設立。国内外100社を超える投資家、慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム上席所員。

文=森旭彦 写真=宇佐美雅浩

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