感謝の気持ちを持つために 内側と外側、2つの実践法

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2つ目の要素である内面の感謝は、内なる自分を扱うものなので習得が難しい。人は、自分自身をだますのがうまい。サーカスの曲芸のように物事をこなし、ステップを抜かしたりバトンの受け渡しに失敗したりすることなく人生を送っているように思えても、実際には最も大切なものを逃している。なぜか? それは、私たちが自分を集団(仕事や家庭、コミュニティーなど)に属する存在として認識することでもたらされる喜びを失ってしまったからだ。

ここでの感謝の気持ちとは、自分が世界に与えられるものがあり、世界から自分に与えられるものがあると認識することだ。ラウニーはローマ帝国の偉大な雄弁家、キケロによる次の言葉を引用している。

「感謝の心は、最大の美徳のみならず、あらゆる美徳の親でもある」

共和政ローマに命を捧げたキケロは正しかった。感謝の気持ちを感じられなければ何も感じることはできず、何も感じなければ勇気を出したり、誠実さや愛情を示したりすることもできない。その理由は至ってシンプルで、何かを大切にしたいという気持ちがなくなるからだ。感謝の気持ちは、何かを大切にする力なのだ。

自分を認め、感謝の感覚を持ってして、人生を捉えなおそう。自分には与えられるものやできることがあると認識すること。そうすれば、自分や自分の持っているものに感謝することができる。

「常に感謝の気持ちを」という言葉は、ポスターに書いたりツイートしたりするには見栄えがするかもしれないが、口に出すだけでなく、内側からも外側からも実践することが必要だ。

編集=遠藤宗生

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