クラウドの母に聞く10の質問 「テクノロジーと企業経営」

ジュディ・エストリン(Photo by Chris Kleponis/Bloomberg via Getty Images)


──フェデックスやディズニーの役員に名を連ねていた時、各企業への時間配分はどのように割り振っていたのでしょうか?

おそらくフェデックスよりもディズニーの方に時間を割いていたはずです。コムキャストとの買収競争や、アイズナーからボブ・アイガーへの経営引き継ぎの時期でもあり、ディズニーの方がより対処すべき事柄が多かったというのも、理由のひとつです。企業の役員は、フルタイムの仕事ではありません。しかし常に、いかなる時も即対応できるように準備しておく必要があります。

──これから役員になろうという人たちへのアドバイスをお願いします。

どの企業も、テクノロジーの急激な変化の影響を受けます。役員は、テクノロジーに強いというだけでなく、変化を乗り切る方法を理解している管理職を大いに必要としています。

──逆に、スローダウンさせることが役員としての最善の選択肢である場合も多い、とあなたは述べています。

例えばアスリートは動きが機敏ですが、コアも強くなければなりません。企業にもクロストレーニングが必要なのです。全ての変化にいちいち追随することはできません。

──全ての企業で女性役員が求められています。どのようにリクルートすべきでしょうか?

「我々の企業は多様性を追究しています」ということであれば、要求に見合う役員はすぐに集められるでしょう。しかし、同時に、特別な可能性や専門知識を持った人、リーダーの手本となるような人も欲しくなるでしょう。実際には、まず役員として最高のメンバーを集め、それから多様性を持たせることを考えるのが良いのはないでしょうか。

──あなたの本拠地であるシリコンバレーでは、依然として女性の役員を積極的に受け入れる環境とは言えません。なぜでしょうか?

候補者が圧倒的に少ないのです。ベンチャー企業出身者や、CEO経験者が役員になっています。結果として、報道されているようなセクハラ問題が起きているというだけでなく、自分たちの世界に閉じこもっていることで、機敏さやダイナミズムを失ってしまっているのです。

編集=岩坪文子

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