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2018.04.17 12:00

米最大級音楽フェス「コーチェラ」に独占禁止法違反の訴え

コーチェラ・フェスティバルでパフォーマンスを行ったビヨンセ(Photo by Natt Lim/Getty Images for Coachella)

コーチェラ・フェスティバルでパフォーマンスを行ったビヨンセ(Photo by Natt Lim/Getty Images for Coachella)

カリフォルニア州で4月13日から始まった米国最大級の音楽フェス「コーチェラフェスティバル」の運営会社が、西海岸の音楽イベントを独占する契約条項を設けているとしてポートランド州の音楽フェス「Soul’d Out」に訴えられた。

この契約条項は“radius clause(半径条項)”と呼ばれ、コーチェラに出演するアーティストが契約期間内に、半径1300マイル(約2100キロ)以内で開催される他のイベントに出演することを禁止するものだ。

コーチェラフェスの運営会社「GoldenVoice」は、この条項がイベントの質と特異性を保つために必要な条項であると主張する。同社は声明で、「人気イベントをプロデュースするためにプロモーターは大きなリスクを取り、巨額を投じている」とし、問題の条項は運営上不可欠なものだと述べた。

しかし、訴訟の内容を見ると、GoldenVoiceは関連会社の「AEG Live」がプロモートするショーに関しては条項を適用せず出演を許可しているという。ジェイ・Zは2010年、コーチェラフェスの直前にロサンゼルスでAEG主催のイベントに出演している。

この条項があるため、コーチェラフェスの開催地から1000マイルほどの場所で4月18日から始まるSoul’d Outは、シザ(SZA)やダニエル・シーザーといった人気アーティストを出演させることができなかった。

Soul’d Outの創設者のNicholas Harrisと弁護士は、コーチェラフェスの条項を「違法な制限」と主張し、彼らが不当な独占状態を確立しているとした。

最近ではこのような訴えを起こされた大規模フェスはコーチェラだけだが、他の有名フェスも類似した条項を設けているようだ。Soul’d Out側の主張では「オースティン・シティ・リミッツ」や「ボナルー」「ロラパルーザ」などのフェスも同様の制限を設けている。

今回の訴訟で独占禁止法違反の判決が下った場合は、多くのフェスに影響を与えることになる。

2018年のコーチェラフェスは4月13~15日、20~22日に開催。ザ・ウィークエンドやビヨンセ、エミネム、シザなどが出演し1日当たりの動員数は10万人近くに及ぶ。一方でSoul’d Outは4月18~22日に開催され、エリカ・バドゥやワイクリフ・ジョン、デ・ラ・ソウルなどが出演予定だ。

編集=上田裕資

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