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2018.04.29

紅茶で「世界制覇」を、飲料会社CEOの野望

飲料会社アリゾナ・ビバレッジ共同創業者兼CEO、ドン・ヴァルタッジョ(photograph by Brandon Schulman)

飲料会社アリゾナ・ビバレッジのドン・ヴァルタッジョCEO(65)は聳え立つような大男だ。だが、他に抜きん出るのは2m近い体躯だけではない。野心も先見の明も競合大手に引けを取らない。
 
彼は1971年創業の同社を2016年には推定12億ドルも売り上げるまでに育て上げた。同社の紅茶飲料の全米における販売量はリプトンに次ぐ。広告にはあまり頼らず、創意工夫で知名度を高めてきた。

スナップルやリプトンなどの大手に対抗するべく、90日以内に製品を市場に投入。また工場を地価が安い郊外に移し、渋滞の少ない深夜に軽量トラックで配送するなど、コストを抑える努力もしている。宣伝については極めてシビアだ。ヴァルタッジョはCMなどの既存広告を「過去のもの」と突き放す。

「見た目と味がよくて、良心的な価格の商品を作るのが、うちのマーケティング計画だ」

ヴァルタッジョは今後、スナック類といった食品の展開、そして海外進出も考えているという。

「世界制覇の準備が整ったよ」


ドン・ヴァルタッジョ◎高校卒業後、醸造業などを経て、1971年に米ニューヨークで友人と「アリゾナ・ビバレッジ」を創業。独創的なデザインの缶に入ったアイスティやビールをはじめ、数々の人気商品を生み出した。2008年、経営を巡って共同創業者の友人と裁判沙汰になったが、15年に和解。現在は同社の株式を息子2人とで100%保有している。

文=チェイス・ピーターソン=ウィソーン 写真=ブランドン・シュルマン

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