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「グローバル思考」の伸ばし方


2018年2月8日、社員の約半数である600人が集まる社員総会で、「Helping Hands」のプログラムが行われました。

3人1組になったテーブルの上には、(あえて)非常にわかりにくく書かれている説明書と共に、たくさんのパーツが置かれています。そして、「ここにあるものを説明所通りに作ってください」という指示が出ました。

「全然分からない説明書だな」「何を作るんだろう?」

詳細を聞かされていない社員たちは、テーブルに部品を広げ、議論しながら、組み立て始めました。「いったい何のための研修なんだよ?」と斜に構える社員もいたそうです。


何を作っているのか聞かされないまま、パーツを組み立てる(SAPジャパン)

作業開始から10分ほどすると、全社員に対して、「一旦手を止めてほしい」と声がかけられました。そして、スクリーンにムービーが映し出され、次のメッセージが流れました。

“先天的に、あるいは地雷や爆撃、事故などで手の機能を失ってしまった人々が30万人いる。私たちは、できるだけ多くの方々に『手』を届けたい。今、あなた方が組み立てているのは、その『手』なのだ”

「自分たちが作っているのは、手を失った人が日常で使う手なの?」 その瞬間、会場の空気がガラッと変わったのです。

社員総会なんてやることが決まっていると、サボった社員に「今すぐ来て!」と電話をかけ始める人が次々と出てきました。1人でも多くの人に参加してもらって、1つでも多くの義手を作って、「手」を届けよう。社員の心が一つになって、走り出したのです。


Helping Handsプログラムに真剣に取り組んだ社員たち(SAPジャパン)

「人の手を作っているんだから、もっと丁寧に作ろう」「こんなにきつくねじを締めたら、使いにくいよ」……次々といろんなアイディアや意見が飛び出しながら、90分程の時間で200体もの義手を完成させました。

参加した友人たちは、まとめとして最後に行われたディスカッションが心に響いたと言います。「仕事の意味がわかると、人は熱意を持って、それに取り組む。では、自分たちがやっている仕事の使命は何か?」と、「仕事の目的」を考えるきっかけとなったのです。

会社に入社した時に持っていた熱い気持ちは、目の前の作業に追われて、いつの間にか薄れてしまっているかもしれません。日々の忙しさから、仕事を終わらせることにフォーカスがあたり、仕事の持つ意味を忘れてしまっている場合もあるでしょう。しかし、大切なのは仕事の持つ本来の“使命”です。

自分が今やっている仕事は、誰のために、何のためにやっているのか。一度立ち止まって考えてみませんか?

連載 : 事業開発のプロが教える「グローバル基準の仕事術」
過去記事はこちら>>

文=秋山ゆかり

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