米キャリア情報サイト「グラスドア」によると、優秀な人材を集めることが最大の課題だと認める採用責任者は76%に上る。また、従業員採用プロセスは、米国で1人当たり平均23.8日かかり、コストは平均4129ドル(約45万円)かかっている。人材紹介企業のサービスを活用すれば採用活動を能率化できるが、人材獲得戦争を勝ち抜く上でどの企業が最善かを知るにはどうすれば良いのだろう?
フォーブスは独調査会社スタティスタ(Statista)と共同で、2年目となる「米国の人材紹介企業ランキング」を作成した。ランキングは2部門に分かれており、1つ目は年収が10万ドル(約1070万円)以上の幹部職に特化した役員部門、2つ目は年収10万ドル未満を中心としたプロフェッショナル部門だ
スタティスタはランキング作成のため、3万人のリクルーターと、過去3年間で人材紹介企業を活用したことのある求職者・人事部責任者4500人を対象に調査を実施。回答者に対し、役員とプロフェッショナル部門で最大10社の企業を推薦してもらった。自社推薦は認められず、昨年の結果も考慮された。回答は1万4500件以上が集まり、企業は推薦数の多かった順に順位づけされた。
役員・プロフェッショナル部門の両方で1位を獲得したのは、コーン・フェリー(本社:ロサンゼルス)だ。同社は「フォーチュン100」企業の93%にサービスを提供している。
ネット上の求人広告により候補者があふれ、適切な人材の発見がますます難しくなっている現代において、同社の成功の理由は知的財産の有効活用にあるとゲイリー・バーニソン最高経営責任者(CEO)は語る。
「当社は、調査と情報技術(IT)の分野でしっかりとした土台を築いてきた。自分たちのインサイト(見識)に基づき、特定の職務について『これが素晴らしいCEOの見本だ』『素晴らしいマーケティング担当者はこういうものだ』と言うことができる」
データを主体とした採用活動は、今年の上位企業の多くを支える原動力となっているようだ。その一つ、ルーカス・グループ(本社:アトランタ)は、役員部門で6位、プロフェッショナル部門で3位にランクインした。
同社は、50年近くにわたる人材市場でのビジネス経験と、独自の候補者追跡システムを持ち、中小企業からフォーチュン100企業まで幅広くサービスを提供している。
同社の上級マネジングパートナー、デービッド・アルメンダリスによると、同社はこの技術を使い、今までに対応した全ての人材との関係を維持している。これにより、候補者がキャリアチェンジの準備ができた時、そのことを真っ先に知ることができる。