韓国メディア「ETNews」は関係筋から得た情報として、ファーウェイが今年11月に折り畳み式スマホを発売する準備を進めていると報じている。同社は既にサプライヤー各社と機密保持契約を結んだという。
ファーウェイがこれほどのスピードで新たなイノベーションを市場に投入するとしたら、他のメーカーに重大な脅威を与えることになる。とりわけ韓国のサムスンに与える打撃は大きい。サムスンは新機能をいち早く実現するという意味において、これまでスマホ市場の最先端を走ってきたが、その牙城を中国のファーウェイが揺るがすことになる。
しかも、折り畳み式スマホのコンセプトを最初に市場に提示したのはサムスンだった。同社は2013年時点で既に、折り畳み式スマホのデモ動画を公開していた。
ただし、全く新しいユーザーインターフェイス(UI)を持つデバイスの投入にあたっては、それが本当に使い勝手の良いものであることが求められる。ETnewsによるとサムスンは、UIの完成度にこだわっており、それが新端末「Galaxy X」の発表が遅延している原因でもあるという。
一方で、折り畳み式スマホに用いるディスプレイをファーウェイがどこから調達するのかという疑問も浮かぶ。ニュースサイト「Android Police」のCorbin Davenport記者によると、ファーウェイはこれまでOLEDディスプレイの調達を主にサムスンに頼ってきた。サムスンは自社で開発する折り畳み式ディスプレイを、当初は自社で独占するだろう。
ファーウェイは最近になってLGからもディスプレイの調達を開始したが、LGが折り畳み式ディスプレイを完成させるのは2019年以降になるとみられている。
また、そもそも折り畳み可能なディスプレイが、実用レベルに達しているのかとの疑問もある。クアルコムの幹部は3月の「TechRadar」の取材に対し、「ディスプレイの製造業者らは、何度も折り曲げられても耐えられる電極を作るための素材の開発に、まだ成功していない」と述べていた。
スマートフォンを製造する各社が折り畳み式スマホの市場投入に向けて、開発を進めていることは明らかだ。しかし、それを実現するためにはまだ多くの技術的課題が残されている。