長野泰和が社長を務めるKlab Venture Partnersは16年9月にシード投資、17年9月にシリーズAで投資を行い、支援をしている。
長野:最初の出会いは2016年4月。最近の起業家はプレゼンテーションがうまく、投資家向けの資料もビシッとかっこいい資料をつくっている。そんななか、松本さんの資料は文字だけ。洗練さが一切なく、逆に新鮮でしたね。ただ、「物流業界を変革したい」という思いが強く、プレゼンは野暮ったいですが、すごくいいな、と。すぐ投資したいと思いました。
松本:当時は2人の会社。「会社としてどうしていくか」「外部資金を調達するか」という段階から考えていましたから、迷いもありました。ただ、長野さんが、物流クライシスが起こる前から事業を理解してくれ、「やっていることは正しい」ということを寄り添って同じ目線に立ちながら伝えてくれたことが資金調達をした理由です。
出資検討していただいているときも、「飲みに行きましょう」と言ったら「検討しているときに飲むなんて普通ないからね」と言いながらご一緒いただきました。迷惑だと思いつつ、遠慮しない関係で話ができたからこそ、いろいろなアドバイスをいただけた。怖いように見えてすごく優しいですよ(笑)。
長野:私たちはシードステージ中心に、これまで30数社に投資をしてきました。その中で、一番投資額が多かった。それは、市場の課題感が大きく、かつ、スピード感をもって解決しなければいけないという状況のなか、プラットフォームになれる存在だと思ったからです。
松本さんが起業家として優れているところは、やはり「変革への思い」。だからこそ、企業戦略の“次の一手”へのアイデアが豊富にある。本当に変えたいという思いがあるから、社内メンバーもその魅力を理解して、共感している。それは企業が成長していくうえで大きいと思います。