中東地域では2013~17年、多くの国で武力衝突が発生。武器輸入量はここ10年で倍増した。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータによれば、この5年間における全世界の武器輸入量のうち、中東各国によるものは全体の約32%を占めた。国別に見ると、昨年の武器輸入額の1位はサウジアラビアだった。
ただし、2013~17年に各国が武器購入に費やした金額を見てみると、1位はインドだ。この間のインドの兵器の輸入額は2008~12年と比べて24%増加している。後半の5年間は、ロシアからの輸入が62%を占めた。背景には、パキスタンや中国との緊張の高まりがある。
インドは国産軽戦闘機「テジャス」を開発しているが、高性能の兵器システムの開発では中国、ロシアに大きく後れを取っている。そのためロシアに加え、米国からの輸入にも頼らざるを得ない。ここ数年のうちに、米国との間ではボーイングのP-8対潜哨戒機「ポセイドン」、C-17輸送機、攻撃ヘリAH64E「アパッチ」の購入契約を締結した。
SIPRI のデータベースでは、兵器の製造コストをベースに割り出した値であるTIV(trend-indicator values)を貿易指標として採用している。武器の販売価格ではなく武器移転の規模を明らかにするためだ。この指標に基づいてみると、インドは1950年以降、大半の国を大きく上回る規模の兵器を輸入している。
以下、TIV で比較した1950~2017年の各国の武器輸入規模を紹介する(左から、国名/輸入規模:単位は10億TIV)。
・インド/119.89
・ドイツ*/86.80
・中国/77.30
・エジプト/64.32
・日本/64.04
・サウジアラビア/61.78
・トルコ/55.46
・イラク/53.26
・韓国/51.80
・イラン/46.76
・米国/45.31
・イスラエル/43.21
*統一以前の東ドイツを含む