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チャック・ラニオン エニタイムフィットネス創業者兼CEO

フィットネス業界のみならず、フランチャイズビジネスに革新をもたらしたエニタイムフィットネス。来日中の同社CEOチャック・ラニオンが、フィットネスが心身へもたらす多様な効果と、それに基づいた経営哲学について語ってくれた。


フィットネス事業を通じて、社会貢献に寄与する

「アメリカでは老若男女問わず、フィットネスジムで汗を流す習慣が根付いています。健康を軸に豊かな暮らしを送ろうとするカルチャーが定着しているのです。それでも一日のスケジュールの中にジムへ通う時間をどう組み込むべきか、ストレスを感じている人は多かった。

既存のフィットネスジムに比べ、さらに利便性が高い施設を提供したいと考えたとき、いつでもどこにいても利用できるジムがあれば、そのソリューションになると思ったのです。最初はそれがほんとうにうまくいくかどうか、確信はありませんでした。しかし、挑戦する価値があると思えましたし、新たなビジネスを始めるときには一歩前に踏み出す勇気が必要なこともわかっていました」

破竹の勢いで成長を続けるエニタイムフィットネス。その創業者であり、現CEOのチャック・ラニオンは、2002年のジム開設を振り返ってこう述懐した。当時は、チェーン展開の難しさや深夜営業に対する批判的な意見も多かったという。

「ライフスタイルは人によってまったく違います。仕事やプライベートの事情によっては、深夜や早朝に体を動かしたいと考える人もいます。例えば、悩みを抱えていてなかなか寝付けない夜、あるいは誰もいない早朝や仕事のちょっとした合間にジムでエクササイズをしたいと思ったときに、近くにフィットネスジムがあれば、いい気分転換ができます。自分の好きな時間に利用できることは、エニタイムフィットネスが多くの人に支持される理由のひとつに挙げられるでしょう」

エニタイムフィットネスには、プールやジェットバスはない。マシンジム特化型のシンプルなモデルにすることで、運営コストを抑え、24時間年中無休でありながら手頃な価格でサービスを展開できるシステムを可能とした。

ジムを簡素化する一方で強化したのがトレーニング環境である。デザインにこだわった居心地のよい空間演出、清潔かつ安全面に留意した最高品質のトレーニングマシンは世界共通。会員証となる鍵さえあれば、初心者から上級者、若者からシルバー世代まで、誰もが世界中のすべてのエニタイムフィットネスのジムをシームレスに利用できる。

ただし、こうしたシステム面の革新性のみで、この企業は躍進を遂げているわけではない。米国の経済誌『アントレプレナー』ではあらゆる業種のなかでももっとも事業価値の高いフランチャイズチェーンとして、15年、16年と2年連続で総合ランキング1位に選出している。このことからも、このフィットネスジムが世界に与えているインパクトの大きさを窺い知ることができるだろう。

「ビジネスの成功は売り上げや利益だけで決めるものではないと私は考えています。昨年、震災に見まわれた熊本にジムをオープンしました。当時は、時期を改めてはという意見もありました。しかし、予定どおりオープンし、結果、多くの被災者の方々に喜んでいただけたのです。

体を動かすことでストレスが軽減されるという面もあったでしょう。しかし重要なのはもうひとつの事象です。私たちのジムに来ていただいた被災者の方の間でコミュニケーションが活発に行われ、皆さんが再起に向かって前向きになってくれた。フランチャイズのオーナーもその姿を見て、自分たちが地域の役に立てたという思いを実感した。

私もハリケーン被害に遭ったアメリカで同じような体験をしました。私たちがもっとも重視しなければならないのは、社会に貢献できてこそ、トップブランドとしての存在意義を示すことができるということです」

Prommoted by エニタイムフィットネス text by Hiroshi Shinohara photograph by Shuji Goto edit by Akio Takashiro

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