AIが変えるビジネス環境 期待される4つの恩恵

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自動化で労災を防ぐ

労働災害情報サイト「Injury Claim Coach」の調査によれば、特定の職場での危険業務を自動化することで、数千件規模の死傷事故を防止できる可能性がある。

調査結果によると、米国では2016年、5190人が業務中のけがが原因で死亡しており、週に平均100人が死亡している計算となる(負傷者数はさらに多い)。特に危険な仕事は、運転手と建設作業員だった。これらの仕事は、近い将来自動化が見込まれる分野だ。

自動化により、どれ程の人命が助かるだろう? 自動化の割合が14%だけだとしても、2030年までに年間約3500人の命が助かる可能性がある。AIに仕事が奪われると考えるより、人間が危険な仕事をどれほどやらずにすむようになるかを考えるほうが正確かもしれない。

人命を守ること(そして、危険な仕事に就いていた労働者がより安全な仕事に就けるようになること)は、間違いなく自動化がもたらすメリットだ。ただし、自分の仕事が将来無くなってしまうことを避けるため、機械では代替できないような人材となる努力はしよう。

アルゴリズムによる人為的ミスの削減

人間の脳は偉大だが、常に完璧な決断ができる人などいない。過去の状況・行動・結果について十分なデータを保持し、あらゆる可能性を評価して一つの選択をすることは、人間には無理だ。人間は限られたデータセットで活動しているため、最良策を選ぶ能力には限界がある。

しかし、コンピューターの場合は話が別だ。AIが数千~数万通りのシナリオからなるデータベースを駆使して情報を解析すれば、成功に導くにはどの方法が最適かが分かる。「それが機械学習やAIというものだ。複雑な情報を集め、整理し、迅速に正しい答えをだす手助けができる」と、データ解析ソフトウエア会社リラティビティー(Relativity)のテック採用担当者、マーク・マクファーランドは言う。

むろん、全ての決断をAIが下すことは(少なくとも現段階の技術では)不可能だ。中には、人間しかできない思考が求められる決断もある。しかし、特にビジネスの世界においては、AIを使って意思決定をできるだけ論理的なものに最適化することができる。

編集=遠藤宗生

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