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旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」

モロッコのマラケシュで催されたアフリカの現代アートに特化したアートフェア「1-54 Contemporary African Art Fair」。会期前日のオープニングパーティーの時点で、多くの作品が売れその後も連日盛況だった。

2月の最後の週末、モロッコのマラケシュで、新たな“アフリカ初”のフェアが開催された。アフリカ人とアフリカ系移民の現代アートに特化したグローバルなアートフェア「1-54 Contemporary African Art Fair」(以下「1-54」)だ。

「1-54」は、モロッコ人起業家のトゥーリア・エル・グラウィ(Touria El Glaoui)が手がける事業で、2013年にロンドンにある歴史的建築サマセット・ハウスで初開催。翌年にはニューヨークでも開催し、以降、両都市にて毎年開催を重ねてきた。

フェアに参加するギャラリーの拠点や主要な収集家にとってのアクセスを考えると、ロンドンとニューヨークでの開催は自然な流れだったが、アフリカ大陸での開催は、実はエル・グラウィにとって起業当初から視野に入れていた選択肢でもあり、関係者からの要望でもあった。

「マラケシュ・エディションは、デスティネーション・フェアという位置づけです。欧米人も親しみが深く、アラビアンナイトやビエンナーレを想起させるマラケシュには、文化のプラットフォームがあります。欧州からは、週末の休暇を利用して気軽に訪れることができ、アフリカが初渡航の人にとっても訪れやすい立地です」

昨年10月にロンドンの「1-54」で会った際、エル・グラウィはマラケシュを開催都市とした背景をこう述べていた。マラケシュ出身である彼女自身のルーツも関連しているようだ。

彼女の父ハサン・エル・グラウィは、かつての英国首相チャーチルの薦めで画家としての名を挙げた人物。また、祖父は「アトラスの王」としてマラケシュを統治した政治家タミー・エル・グラウィと、一族はマラケシュでは名の知れた家系だ。

「1-54」マラケシュ・エディションの最大の特徴は、観光と一体化した分散型フェアであるということだ。会場は、1923年に開業した歴史的なホテル「ラ・マムーニア」の敷地内にあるグランド・サロン。「ラ・マムーニア」は、国内外の5つ星ホテルの中でも最高ランクの評価を受けているラグジュアリーホテルのひとつで、アールデコ調とモロッコ調が融合した建物や内装、各部屋のバルコニーから見渡すことができる贅沢な庭が素晴らしい。

チャーチルやマンデラなどの政治家、日本の皇太子などの皇族、ウーピー・ゴールドバーグやニコール・キッドマンなどのセレブリティも宿泊するこの宿は、「1-54」のメインパートナーとして、主催者や一部の参加者の宿泊先ともなっていた。



昨年のロンドンでの「1-54」に参加したギャラリー数42と比較すると、マラケシュでの参加数は17とそれほど多くはなかった。しかし、現地に点在する現代アフリカン・アート施設との連携によって、多くの関連コンテンツが提供された。

例えば、会期前の木曜日には、昨年10月にオープンしたばかりのイヴ・サンローラン美術館や、市内10箇所のギャラリーと連携した分散型のカクテル・パーティーであるアート・ナイトが開催された。それらの多くの会場が、現地の人間も外国人も入り混じった訪問者たちで賑わっていた。

文=MAKI NAKATA 写真=1-54 / Art Africa Ltd

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