ウーバーから名門VCに転職した女性が描くスタートアップの未来

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カリフォルニア州メンローパークに本拠を置く「Redpoint Ventures(レッドポイントベンチャーズ」は、「ネットフリックス」や「HomeAway」などへの投資で知られる名門ベンチャーキャピタル(VC)だ。

同社の幹部のSatish Dharmarajは、最近ではベンチャーキャピタリストにも起業や大企業で経営に携わった経験が求められていると感じていた。彼は外部から新しいパートナーをスカウトするに当たり、こうした要件を満たし、コンシューマ事業への投資で成功体験のある人材を探していた。

Dharmarajは社内のパートナーに最適な人材を聞いて回り、有力候補としてAnnie Kadavyという女性の名が浮上した。KadavyはVCに勤務した経験があるが、当時は業界から離れていた。彼女は複数の企業を設立したシリアルアントレプレナーを父に持ち、自身も起業を経験した後、VCファームの「CRV」でフードデリバリーの「DoorDash」やフィットネススタートアップの「ClassPass」、コンテンツクリエーター向けプラットフォームの「Patreon」などへの出資を担当した。

彼女は、フォーブスの「30アンダー30(30歳未満の重要人物)」に選出されたこともある。Kadavy は2016年後半に従業員数がまだ50名程度だったウーバーに参画し、トラックドライバーと貨物運送業者をマッチングする「Uber Freight」事業をリードして数ヶ月で数百人規模の部門に急成長させた。

彼女はRedpointが求める要件を全てクリアしていた。Redpointは4月5日、Kadavyが4月12日付でパートナーに就任することを発表した。

「Redpointのメンバーと接した後にオフィスを出たとき、自然と笑みがこぼれていることに気が付いた。それは、私にとって最も大事なシグナルだった」とKadavyは語る。

設立19年目のRedpointにとって、Kadavyは初の女性パートナーだ。VC業界では最近、女性パートナー36名が結束して「All Raise」というNPOを設立した。この団体の目的は、今後数年で女性パートナーの数を倍増すると同時に、出資を受ける女性起業家の数を増やすことだ。
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編集=上田裕資

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