FB情報流出問題 ザッカーバーグが答えるべき真の質問とは

公聴会で説明をするフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)


しかし、過去の大きな失敗に対して責任を取るだけではなく、問題を繰り返さないと保証するために確実で万全な策を講じることも必要だ。

公聴会での証言1日目、議員らとザッカーバーグの間では非常に厳しいやり取りが交わされ、悔恨の念も示された。しかし、現在の経営管理体制が強固なものであり、個人情報漏えいと政治的な転覆行為が今後は二度と繰り返さなれない、という印象は全く受けなかった。

私は、彼の証言から「リスポンシビリティー(責任)」は感じたものの、「アカウンタビリティー(引責)」は感じられなかった。この問題を受け、同社のシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は職を失うだろうか? 誰が責任を取るのだろう? サンドバーグCOOは人気の高いセレブ役員かもしれないが、8000万人超のデータ漏えい問題が執行上の大失敗でないのならば、いったい何が起きれば大失敗と言えるのか?

リチャード・ブルメンサル上院議員は公聴会でのザッカーバーグの証言中、米CNNテレビに対し「コミットメント(確約)が非常に曖昧だ」と述べた。「曖昧な約束や、実質的な信用に欠けた見せかけだけの確約は、われわれのさらなる追及対象となるだろう」

ここで、私が先ほど述べた問いが浮かぶ。このようなことが二度と起きないという確証は得られるのか? ロケットが一度打ち上がれば、どこに落ちるかなど誰が気にするだろう?

ザッカーバーグは無論、フェイスブックに対する厳しい規制や、事業方法の大幅な複雑化と負担の増大を避けたいだろう。公聴会での証言後、何週間あるいは何か月にもわたり、こうした問題について数多くの議論が行われることは確実だ。

しかし、今までに明らかになったことを元にすれば、ザッカーバーグによる安全性の確約にはどれほど自信と説得力があるだろう? 米議会と世界が、じっと耳を傾けて聞いている。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事