バリバリ働く女性のパートナー選びは「恋のクリアランスセール」で

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そこでクリアランスセールのハードルとなるのが次の2点。1. そんなすぐに人とつきあえない問題と、2. 誰でもいいのか問題だ。

まず、そんなすぐに人とつきあえない問題。これに関しては、まず伝えたい言葉がある。「やってみなはれ」だ。ひたすらバッターボックスに立ち続けることを己に課すという心意気が大切。実践練習をこなさないと、本番に勝てない。

けれどこれ、飲み会やマッチングアプリをしまくればいいわけでもない。今日び出会いは、ひとりの努力でもどうにかなる。出会いの先にあるマンツーマンの試合を数こなして、相手と自分の共感コンテンツを探るみたいな作業が大切なわけです。

ちなみに、「トキめく人」を本番、「まぁいいかな」を練習試合として、練習試合3回、本番試合1回のペースでまわすと調子が上がりやすい(筆者フィールドワーク調べ)。恋へのブランクがある人はとくに。デート後に本命相手に対して「今日なんだか私ヘンじゃなかったですか? また会いたいです」的なメンヘラLINEを送ってしまうエラーも減ります。

続いて、誰でもいいのか問題。女性の場合、「最低限自分がつきあえるライン」みたいな、頑固なものさしを持っていることがある。「イケメン」とか「〇〇出身」とか。でも、そのラインを気持ち壊すゾーンの人とも交流しまくることだ。

自分の価値観を見直す機会に

「彼氏が欲しい」が口癖だった私の友人は、数年前、年の瀬せまった12月頭に飲みの席で、突然、「あ、年内に彼氏つくるわ」と宣言した。仕事の鬼ゆえ、遂行する勢いだけは感じたものの、策はなかった。

合コンやってるヒマもないし……とその場でフェイスブックの友達をア行から順番に「アリ or ナシ」を判断し(ときに他者の「この人アリじゃない?」の意見も導入しつつ)、アリの人で打順を組んでサシ飲みをし、結果ちゃんと年内につきあい、そして結婚した。私はいまだかつてあれほど有益なSNSの使い方を見たことがないし、これこそ恋のクリアランスセール。もちろんマネした。

結局、クリアランスセールで何が生まれるのか。自分を守りすぎている自分の価値観を見直す機会になり、それが人生の糧になる。私の場合は、セール中に自覚的に会った人も最初は自己洗脳ができてもすぐに冷めた。つまり自分の原初的かつ本能的な好み(顔と教養)を遵守しないとダメ、という原点回帰にいたった。

そのぶん、セールを終えてから、交際、結婚した夫への思いはゆるぎないものになった。「この人で良かったのか?」なんて迷いは発生しないので、いつもすがすがしい。

男性の場合は、ルックス単体をベンチマークにしていると、計画妊娠や外堀作戦などの攻勢に、セールのはずがなし崩しに本丸落城みたいなことになる事例も多々みてきたので気をつけたいところ。もちろんそれで幸せならいいのだけど。

恋愛に男女の優劣はないけれど、恋のクリアランスセールは女性、とりわけバリバリと働く女性に向いていると思う。でも、時に劇薬にもなるので、仕事と同様、PDCA的なるものをまわしながら、お試しくださいませ。

文=鈴木麻友美

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