アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター


「最悪の事態」を想定する経営戦略

Politisにとって幸運なのは、その時ちょうど「Accel」が主導した投資ラウンドで2500万ドルを調達できたことだ。新サービスにその資金を投じて賭けに出ることができた。しかし、そこで失敗すれば二度目のチャンスはない。Politisは出資者と議論をしつくし、約80人の社員たちと、グーグルに特化した製品ではない新しいサービスの開発に取り組んだ。

Politisの賭けが成功したのは、現金を貯めておいたからだ。同社は2年間、新規雇用を中止し、コスト削減に務めた。「そして、ついに彼は市場が求める製品を自力で突き止めることに成功した」とAccelのArun Mathewは述べた。

BetterCloudは、企業向け管理ツールを提供するスタートアップとしては珍しくシリコンバレー以外に拠点を持つ企業だ。再建には長期間を要したが、優秀な人材の流出を防げたのは十分な資金を手元に残していたからだ。

BetterCloudは今回の新規調達資金でマーケティング部門を強化しようとしている。同社は現在、ニューヨーク、アトランタ、サンフランシスコで160人以上の従業員を抱えている。理事のSalemは、同じフィールドで法人向けソフトウェアを提供する「Atlassian」の理事も兼任しており、BetterCloudの今後に自信を持っている。今のところPolitisの賭けは成功したと言えるだろう。

だが、正しい賭けをしていたとしても、時間をかけてサービスが売れない理由を解明しなければBetterCloudの復活はなかった。それこそが、Politisが他の起業家とシェアしたい教訓だ。常に最悪の事態を想定して物事に取り組む必要がある。

「経営者は短期間での成長を期待しがちだ。しかし、我々には予想よりも1年以上も長い時間が必要だった」とPolitisは述べた。

編集=上田裕資

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